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【化学メーカーDXの歴史】深は新なり 極限追求 東レ編

化学メーカーのMI活用やDX推進を盛り上げたいサンカク製作所です。

「深は新なり」の哲学の元、炭素繊維でも名高い「東レ」。
今回は、「東レ」のMI活用/DX推進の経緯や現状を公開情報からまとめました。

自社のMI/DX推進や、就職先の参考等にご参考ください。


企業概要

合成繊維・合成樹脂をはじめとする化学製品等を扱う。

売上高(2023年3月期):約2兆4893億円(連結)
研究開発費の売上に対する割合(2023年3月期):2.8%
従業員数:連結48,682人(2023年3月末時点)

【参考】

企業の研究開発費ランキングTOP100(2023年6月更新)|研究ネット (wdb.com)

MI活用/DX推進の推移

概要

 2020年から中期経営課題にDXを掲げ本格的に取り組みが開始されているようです。毎年の統合報告書には組成最適化、外観検査、ソフトセンサーの成果が例示されており継続的に取り組みが進んでいるようです。
 最近では、社内含めたAIシステムの構築・提供が進められている他、DXへの投資額に200億円を発表するなど、今後も取り組みが進んでいくものと考えられます。

年別の活動内容

2019年
 富士通とデバイス実装分野におけるエンジニアリングサービス提供で協業を開始

2020年
 ・2020年から一部工場で概観不良判別AIの導入を開始。
 ・中期経営課題「プロジェクト AP-G 2022」の中の重点施策の1つに「DXによる経営の高度化」を設定。
 ・DX推進のプロジェクト「TDX推進プロジェクト(TDXプロジェクト)」を始動。

2021年
 マテリアルズ・インフォマティクス(MI)技術を活用し、次世代の航空機用途向け炭素繊維強化プラスチックを短期間で開発したと発表。東北大学との共同研究で導入した自己組織化マップを活用。CFRPを構成する多種のエポキシ樹脂とフィラーの組み合わせデータベース(DB)を構築。

2022年
 東レ共通データ解析環境を構築し全社展開

2023年
 最適樹脂選定のサービス開始

人材育成制度

グループ全体で2000人以上のデジタル人財基盤を確立を目指す。
人財レベルを一般層からエキスパートの5段階モデルを設定。
新規デジタル手法を創出(プロフェッショナル)エキスパートは20人以上を目指す。

参考資料

  1. マテリアルズ・インフォマティクスによる材料開発, 三井住友銀行, 2019.11

  2. 東レ MIの活用により短期間でCFRPを開発 – 日刊ケミカルニュース (chemical-news.com)

  3. 東レ MIの活用により短期間でCFRPを開発 – 日刊ケミカルニュース (chemical-news.com)

  4. 東レ、製品の外観不良をAIで識別 熟練工の腕並みに - 日本経済新聞 (nikkei.com)

  5. AIが不良品を特定、東レが挑む研究・生産プロセスの革新とは | 日経クロステック(xTECH) (nikkei.com)

  6. 最適な樹脂選定を支援するDXサービスを開始 -AIを活用した樹脂データベースで顧客の製品開発スピードアップに貢献- | ニュース一覧 | TORAY

  7. 2022年統合報告書, 東レHP

  8. 統合報告書 | 株主・投資家情報 | TORAY ,東レHP


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