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絵を飾ったらご機嫌になっちゃった

何の気なしに商店街を歩いていたら「閉店セール!」と乱雑にデカデカと書かれた文字が目に入った。どんな憎しみを込めて書いたんや?と思うくらい、インクが飛び跳ねてかろうじて読めるくらいだった。
店内に目をやると「2000円!」「この箱すべて1000円」というこれまたホラー映画のポスターのような赤い文字で殴り書きされていた。そこに詰め込まれていたのは「絵画」だった。

作品がこんな安くていいわけねーだろ!!!作家が命削って描いたものを…!!待ってろ!!!買うぞ!!!と意気込みながら、めちゃくちゃ漁った。6畳くらいのスペースしかないのに30分くらいいた。
3~4個の箱につめられた絵をひとつずつ見ては戻し、見ては戻しをして、もう一周を繰り返す。絵画に詳しくないので直感で選ぶことにした。

「何か気に入ったのあった?」
奥のほうに座っていたであろう店主?がいつの間にか横にいた。ロマンスグレーがお上品なマダムだった。この人がこの憎しみが込められた値札の文字を…?店をたたむことになったらこんな字にもなる…か?と思いながら、「あります!!!」と元気よく返事をして購入した。

猫がへにょんとしてる絵と雪が降り積もる町の絵だ。なんかいいな、と思った。


早速家に飾ってみたら「なんか良さ」が増した。壁とも家具とも調和し、きれいに収まっている。なんだかとってもいい。まさか自分の部屋に絵を飾る日がくるとは。信じられなくて、何度もチラ見しては惚れ惚れしてしまう。うーん、かわいい!500点!

ご機嫌のあまりハンバーグをつくってしまった。しかもチーズもいれたし、卵ものっけた。卵もいい感じに半熟にできたのが嬉しくて、ほろ酔いも飲んじゃった。

寝れるだけでいーや精神で家事への苦手意識が強かったのに、友人たちとのルームシェアで整え方を学んだので、少しずつ向き合えているような気がする。方法をなんとなく知っているのは大事だな~と思う。

絵を飾るだけでこんなに浮かれるなんて。今日はいい夢がみれそう。

(今日の洗い物は明日のわたしが気持ち新たに頑張ってくれる、はず…。)

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