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本棚には癖がでる

癖は「くせ」ではなく「へき」だ。「偏りのある好み」「性癖」(ここでいう性癖は性的嗜好ではない)をそのままそっくり反映しているのが、本棚だと思う。

10年間使っていたテレビ台兼本棚を捨てて、コンパクトな木箱を本棚とすることにし、並べる本たちの整理をした。数年前から電子書籍に移行しているのもあり、実際の物としての本は少ないけれど「電子で買えるのに、本として物理的に手元に置いときたい」という意味では、濃縮された癖が詰め込まれていた。

漫画は「スラムダンク」「ジョジョ」「キングダム」しかない。これだけで、癖がまるわかりだ。(電子書籍のほうには「バキ」「ベルセルク」「アカギ」「嘘喰い」と続くから余計に原液って感じがする)

漫画は見せることになんのてらいもないけれど、ほかの本たちを見られるのは気恥ずかしい。特に小説のラインナップは内側のいちばん柔らかいところを無防備でさらけ出している気持ちになる。
SNSだったりは「自分をどう見せたいか」である程度コントロールしようとすることができるけれど、本は誤魔化せない。剥き出しの自分が並んでいる。「●●とかも読むんだ」なんて言われた日には恥ずかしくて顔が真っ赤っかになると思う。

とはいえ散々恥ずかしいと言っておきながら、人の本棚をみるのは大好きだ。その人のことをもっと知れる気がする。印象通りでも面白いし、意外なラインナップにはその本のどこが好きなのか訊きたい。その人がその人で在るために必要だった事柄は、その人をよりユニークで素敵に見せる。

ここ数日で友人はじめおすすめの本や映画を教えてもらい、本当にありがたい気持ちでいっぱいだ。何かひとつエンタメを通して、あなたとわたしで共通言語をつくれているような気がする。それがとても嬉しくてくすぐったい。
わたしにとって身近なものが本なだけで、それ以外にも誰かの癖を聞くのが好きなのかもしれない。


そうしてなんと休職期間の1ヶ月延長が決まり、10月末まで何もしない日々を過ごさなくてはいけなくなった。2ヶ月半…な、長い……。

あなたの癖がつまった本、随時募集中です。

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