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鴨川湯と湊河湯のクラファン

鴨川湯と湊河湯の継業に際して、クラファンをしよう!という話がメンバー内で持ち上がりました。さらには、クラファン会社を介さずに、自社お手製でクラファンをすることにしました。その考えに至った理由や想いを今回書いてみました。



鴨川湯で1600万円前後、湊河湯で700万円前後の費用がかかる見込みです。費用内容については、後日アップされるそれぞれのnoteの記事をご覧ください。



それなりの額がかかるのですが、自己資金と借入で十分にできる見込みがありました。とは言え、協力していただけるのであれば、甘えさせて頂きたいという気持ちが、正直、あります。

実際、人蔘湯や容輝湯でのクラファン支援で、ゆとなみ社の資金繰りとしてもかなり助かりました。矢継ぎ早に、こうして新たな銭湯の継業が行えています。今回の継業でクラファン支援を集うことで、資金(借入枠)を使い果たさず、次の継業も行えるようにしたいと考えています。

また、クラファンを通して、鴨川湯や湊河湯での取り組みを知ってもらいたい、支援したいという方の受け皿にしたい、コニュニティを形成したいなどの思惑もあって、クラファンを行うことにしました。


ところが、手数料が高すぎる・・・!

こんな高かったかと思うほど、手数料があがっていて驚きました。600万円の支援金が集まったとしたら、約100万円も手数料が差し引きかれてしまう。サービスを使用する以上仕方ないとは言え、支援者も本望ではないはずです。


そんなタイミングで読んだ「喫茶店のディスクール」という本。

個人店における資金調達の方法について、まさにクラウドファンディングについてズバリ言い切っていて・・・。

この本の著者、オオヤミノル氏。
特段、親交が深いわけではないですが、梅湯の初期の頃に来てくださった際に、まさにこれだ!と今も刺さり続ける言葉を頂きました(あと、Tシャツも)。以来、業種は違えど、京都でお店を営む者の後輩として、僕は何かしらの影響を受けているし、受けようとしています。

そんな個人的なバイアスがあるとはいえ、第2考の「資金の調達について」、第5考の「共有財産の私物化と、権威主義の横行」の話が、今回の自社クラファンをすることを後押ししてくれました。詳しくは、実際に本を読んでみてください。痛烈です。


その中でも、「生身のコニュミティ」「共有財産と私有財産」という言葉がキーワードとして刺さりました。


それぞれの銭湯が築いた、もしくはこれから築いていく生身に感じられるコミュニティを頼ることで、共有財産として銭湯を存続させていなけいかという試みが、今回の自社クラファンです。

遠くの何かではなくて、身近にある生身のコニュニティを積極的に頼る試みが重要だと考えています。


2016年に、IN/SECTS vol.6.5 いいお店のつくり方特集の取材で、「共同浴場」として銭湯を運営できないかという構想を喋っていたのですが、これに近しい発想です。

当時は、廃業するような銭湯を生業として再生させるのは極めて困難だと、梅湯をはじめたばかりで、そう体感してしまっていたので、別の方法で銭湯を存続させる必要があると考えていたのでした。それが共同浴場の方法です。

ここでいう共同浴場とは、静岡県西部の浜名湖周辺を中心に存在した浴場の形態を指しています。集落の人々が資金を出し合い、掃除や沸かしなどの運営も当番制で行っていたもので、事業主が商売として開いていたものが銭湯であり、それと違った運営方法で存在していたようです。

しかし、2016年以降は幸いにして、逆に、事業として銭湯の経営を自立させることができる結果や自信がついてきたので、共同浴場的な発想は薄れていったのでした。

2022年に保存版として、あれから6年後の取材記事も追加されており、かなり読み応えある一冊。オススメ。



銭湯や共同浴場を語る時に、切っても切れないのが、コミュニティという存在。それは、顔なじみであるような身近で生身のコニュニティを指しています。

CFサイト上では何かここが希薄になってしまう実感がありました。

PCの画面上に、知らない名前、支援プラン、住所が人知れずに羅列されていき、それに従って、返礼品を発送する。通帳には支援金が数字として刻印されている。サービスの対価として、手数料が差し引かれた額で。


まあ、今の世の中はこれでいいのでしょうが、身銭を切ってまで応援してくださる方の顔がしっかりと浮かぶかどうかって、こういう商売柄、大切にしたいと思うし、お店と支援者の二者とは関係のないところにお金が少し少しと流れていることへの違和感というか諦めというかも確かにあったりで。

「喫茶店のディスクール」にも、薄々気づいてるなら、断ち切って信じてやってみたらと後押しされる気もして。

そんなわけで、受けた支援額を極力ストレートに事業に反映できる形で、生身のコニュニティに直に頼み込むやり方で、クラファンを試みることにしました。それが自社クラファンです。


それと、目標金額の達成を煽っていかないことにもしました。

目標金額を達成できないと、今回の事業が成り立たないわけではないので、むやみやたらに支援者の気持ちを煽らないように、支援したい人だけが無理のない額を支援するような呼びかけをしていこうと思います。

煽らないと言いつつも目標金額を提示するとは、此れ如何にですが、参考までにということで。

自社お手製クラファンの仕組みについて


店舗とSNSで、noteに書いたクラファンについての記事を告知していきます。集金は、実店舗のみで行います。実店舗に来るのが難しい方のために、集金先としてBASEを選びました。手数料が5%と安いと言う理由でです。
※認識不足でクラウドファンディングでの利用が不可でした。なので、店舗のみでの集金をすることにします。(2023/7/22 訂正)


よくよく考えてみたら、店舗やSNS、コニュニティが既にあれば、クラファン会社を介さなくとも自分たちでできることです。  

以前のクラファンの支援者一覧をみてみると、こちらからカンパしてくださいと頭を下げに一歩二歩でも踏み出せば、届くような近い方がほとんどで、実際、CFサイトを使ったからこその結果なのか実感が持ちにくかった反省もあります。発送作業はどのみち自分たちでやらないといけないし。


極力、店舗での申し込みをしてもらいたいです。

今回の自社クラファンのテーマは、「身近で生身のコニュニティに頼るという試み」、「支援金をストレートに事業に反映させる試み」だからこそです。

対面でしっかりとお礼を言いたいし、銭湯という実店舗あってこその商売をしているので、足を運んでもらいたいし、風呂にも入ってもらいたい。支援者の方により実感してもらいたい気持ちがあるので、ぜひ来店してほしいのです。銭湯であるからこそ、こういうアナログで実感的なことを大切にしたいと考えています。


長くなりましたが、そんなわけで、こんなクラファンを試みてみます。


鴨川湯と湊河湯、もうじきにオープンです・・・!追い込み頑張りますー!

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