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失言モンブラン #毎週ショートショートnote

あるところにちょっと変わった栗の木がありました。

果物に音楽を聞かせると甘くなるのと同じように、この栗の木は失言を聞かせると美味しくなるというのです。

人々は栗に美味しくなってもらいたいと、栗の木に向かって失言を続けました。いえ、失言のようなものを栗の木に向かって投げ続けました。

ところが栗は一向に美味しくなりません。それもそのはず。失言というのはうっかり出るものであって、出そうと思って出るものではないのです。

それでも、と人々は栗の木のまわりに集まってどうやったら失言が出せるのか真剣に話し合いました。

そこに1人の少女が現れました。澄んだ瞳をした、栗色のうねる髪をもった女の子です。

栗の木に集まり難しい顔をした大人たちの姿をじっと見て、「……バカじゃないの?あ、ごめんなさい。」と言って走って逃げて行きました。

唖然とする大人たちの上から栗の身が一つ落ちてきました。それはそれは美味しい栗でした。



その栗で作られたのが、このモンブランです。




たらはかにさんの #毎週ショートショートnote に初めて参加します。 いきなりお題が失言モンブランで頭を悩ませました。寝る直前まで「失言モンブラン…失言モンブラン……」と唱えていたら、こんな夢を見ました。

どこかの画家のように、夢で見た景色をそのまま書いてみました。

モンブランみたいに甘くて苦い失言とはだいぶ遠いですが、失言モンブランで思い浮かんだのはこんな景色でした!

楽しかったです。またやりたい!

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