見出し画像

もう一つの領土問題を考える ~インドリトリート体験記~

インドの方と飛行機に隣り合わせになると大概勃発するこの領土問題。
つまり肘掛け論争です。

悪気は無いのはわかるのですがインド人、特に男性は肘掛けをがっつり使われることが多い。

酷い時は肘掛けを越えてこちらの座席の領域にも侵入してきます。

さぁ、この侵犯にどう対応するのか。

気付いたらこの状態。狭いよぉ。

第一段階 逃走

これは日本人とインド人が入り乱れる機内を見ていても経験者の話を聞いていてもまず最初の対処です。

身を縮こめて耐え忍ぶです。
僕らはパーソナルスペースが広いのもあるのでしょう。
パブリックスペースでは見知らぬ人と肌が触れることを好みません。

結果、ただ身体を小さくして耐えます。
両隣のインド人男性ががっつり領域を侵して来る時などはできるだけ身体を小さく小さく保つのみです。

何とももの悲しい。

Vistraの機内食。機内食中は領土を瞬間的に取り戻せる。

第二段階 闘争

何度も第一段階を経験してくるとその理不尽な状況に一矢報いたくなります。
同じ金額を払っているのに何という情け無い状況だ!と。

戦いを挑むことになります。
ずっと身を縮こませておいてなるものか!
自分の領土は自分で取り返す!
と意気込みます。

夏などは時に毛むくじゃらなインド人男性の感触を物ともせず腕をぐいぐいっと押しやります。

そうやって何とか自分の領土を守るわけです。
確かに単純なる「負け」ではありませんが、何だかむなしくもなります。
そして何だか肩もこっちゃいます。

乗る前は大抵ワクワクから始まるのですが…

第三段階 

さてさて僕も今まで何度もこの逃走と闘争を繰り広げてきました。
そしてどちらにも飽きてきました。

今回はどうしようと思ったのがデリーからブバネシュワルの
国内線、Vistara。

右隣がインド人男性。
左隣がインド人女性。
今回も両隣から浸食され僕の領土は削られてます。

さて、どうするか。
このままも面白くない。
かといって闘うのも何だか違う。

被害者面するのも、加害者になり闘うのも面白くない。
よし、認知・認識を変えてみよう。

そうだ!
彼らは僕のことが好きで好きで堪らないから近づいてくる。
ということにしてみよう。

「も~、しょうがないわねぇ。そんなにあたいのことが好きなのぉ。だからってそんなに近づいて来ちゃだめよ~。」
(こういう時のためのおねぇ思考)
と思いニヤニヤしてみた。

結果!

面白いものでそう思って見たら
話しかけてくる彼ら。

右隣の男性

世界を飛び回るエンジニアで日本にも数回来たことがあると。

天ぷらやお寿司も大好きで一度はわさびを大量に口に入れて大変なことになったこと。

エンジニア仲間のドイツ人にめちゃ辛い唐辛子をドッキリで食べさせた。
その日の夜中1時にそのドイツ人から
「明日覚えておけよ。ぶっ飛ばす。」
とトイレから電話かかってきたこと。

何ともユーモアを交えてお話してくれたのです。
退屈な機内が爆笑する時間になりました。

仲良くなっちゃいました

左隣の女性

左隣の女性は日本と関連のある宗教を代々信仰していて、お父さんは日本に行ったことがあるとのこと。
彼女自身も日本に行くことが夢の一つ。

なんて話をしてくれました。
その語りに胸がジーンとしてきました。

途中から真ん中の僕を取り合うかのように話しかけてきました。

と、いうことで

結果、どちらとも何とも楽しい時間を共有できちゃった。

男性とは連絡先を交換しよう!
再会しよう!みたいな話にまで。

ちなみに
仲良くなると自然と距離を取れるので肘掛けも良い具合に使うことができます。

敵にしていたのは、、、

考えてみたら今まで勝手に敵と捉え被害者面したり、
闘わないといかん!と鼻息を荒くしていた自分がいただけ
だったんだなぁ。

なんだかそんなことを教えて
もらっちゃいました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?