【31】 Withコロナ時代におけるインフルエンザ予防接種

企業向け新型コロナウイルス対策情報配信 2020年9月28日

経営者・総務人事担当者のみなさま、インフルエンザは例年12月~3月頃に流行します。2019-2020年シーズンはインフルエンザの流行が例年よりも下火でしたが、この冬も同様になるかはわかりません。新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの同時流行に警戒が必要です。社員へインフルエンザの予防接種を勧奨していますか?

1.課題の背景:

新型コロナウイルスとインフルエンザは症状で区別することが困難です。ひとたび症状が出れば、実際はインフルエンザであっても「新型コロナウイルス疑い」として、対応せざるを得ず、10日程度の職場離脱を余儀なくされます。インフルエンザ感染リスクをできるだけ下げるため、インフルエンザの予防接種を推奨しましょう。

2.企業でできる対策:

〇 早めのインフルエンザの予防接種を推奨する
 (原則10月26日以降に接種)
〇 予防接種時の感染リスクをできるだけ下げる。

1)早めのインフルエンザ予防接種を推奨する(原則10月26日以降に接種)

今シーズンは、新型コロナウイルスとの同時流行が懸念されており、通常よりも予防接種需要が増加し、ワクチンが品薄になる恐れがあります。早めの予防接種を推奨しましょう。

□ 社員に早めのインフルエンザの予防接種を推奨する。
□ 10月25日までは65歳以上の方、60-65歳で高度慢性疾患者が優先となっていることも合わせて周知する。
□ 可能であれば、接種費用の補助などもできると良い。

<インフルエンザ予防接種の効果、接種時期、回数>
効果
インフルエンザワクチンの予防接種には、発症をある程度抑える効果や、重症化を予防する効果があり、特に高齢者や基礎疾患のある方など、罹患すると重症化する可能性が高い方には効果が高いと考えられます。

接種時期
ワクチンを接種してから効果が出るまで2週間程度かかかります。その持続期間はおよそ5カ月間といわれています。流行のピークの来る1月の2週間前(12月中旬)までにワクチン接種を終えることが望ましいと考えられます。

接種回数
13歳以上の方は、1回接種が原則です。ワクチンは、そのシーズンに流行することが予測されるインフルエンザウイルスを用いて製造されていますので、毎シーズン接種が必要です。

2)予防接種時の感染リスクをできるだけ下げる。

予防接種を行う多くの医療機関では、接種を行う時間や場所に配慮し、換気や消毒を行うなどの感染防止対策に努めています。予防接種は、一般の受診患者と別の時間や場所で受けられる場合もあるので、できるだけ事前に予約するよう周知します。

医療機関でのインフルエンザ予防接種時に新型コロナウイルス感染するリスクを恐れ、接種控えも懸念されます。訪問型インフルエンザ予防接種を行っている医療機関もあるので、活用を検討しましょう。

□ 訪問型インフルエンザ予防接種の活用を検討する。
□ 予防接種を受ける時は、できるだけ事前に予約するよう周知する。□ 接種を受ける際は、マスク着用、できるだけ密を避ける行動を促す。
□ 医療機関の行う感染防止対策に協力するよう促す。

3.関連情報リンク:

(1)今冬のインフルエンザと COVID-19 に備えて(日本感染症学会) 
(2)季節性インフルエンザワクチン 接種時期ご協力のお願い(厚生労働省)
(3)インフルエンザQ&A(厚生労働省)

4.資料リンク


・本資料のPDF

・本資料の動画


文責:守田 祐作(産業医科大学 健康開発科学)

※本文章は、産業医有志グループ(今井・櫻木・田原・守田・五十嵐)で作成しました。厚生労働省新型コロナウイルス対策本部クラスター対策班・和田耕治先生(国際医療福祉大学・公衆衛生学教授)のサポートも受けております。
今後も経営者・総務担当者向けに必要な感染拡大防止策情報を随時配信させて頂きます。本情報は著作権フリーですので、ぜひお知り合いの経営者に拡散をお願いします。
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