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大学4年生になるあなたへ

3年前、大学に行くために岐阜へやってきた。
大学がどういうところなのか、一人で暮らすということがどういうことなのか、なにもわからず流れてきた。知り合いも一人もいなかった。

4月1日に車にたくさんの荷物を積んで下宿先に向かったあの日はどんな気持ちだったんだろうか。道中に満開の桜の街道を見て感動したことは覚えているが、当時の自分の気持ちは覚えていない。きっとわくわくよりも不安が大きかったと思う。

私よりも母が色んな段取りや準備をしてくれて私の一人暮らしは始まった。高校の時部活で忙しくて手伝いをほとんどしてこなかった私は洗濯機の回し方も何となくしかわからなかったし、料理もほとんどしたことがなかった。

大学生活も何もわからなかったが誰にも聞けず、一人心細く始まった。
私は入居日の関係で先輩方が開いてくださる入学前交流会に行けなかったが、多くの同級生はそれに参加し友達を作っていた。私が初めて大学に行った入学前説明会ではグループが既にできていて、取り残された感覚になった。お昼休憩に入った途端みんながわいわい教室を後にし、どこかへ行ってしまったときにはものすごい不安に襲われた。私は一人陰に隠れてパンを食べることにしたが、先が真っ暗で涙をこらえるのに必死だった。

そんなこんなで始まった大学生活。
英語が苦手でついていくのが大変だったり、コミュ障でなかなか友達が増えなかったり、苦労したことは私らしくたくさんあった。

1人暮らしが始まっても規則正しい生活をして、たくさん掃除して、アルバイトしてまじめに生きていた。

今ほどではないが当時も楽しんでいた。一人ぼっちで生活していくことになるかもしれないと不安だったが、友達もできた。たくさんバイト入って仲良くなって色んな事言いながら働くのも楽しかった。

大学1年生はうまく2か月間の夏休みと春休みを活かせなかったが、2年生こそは充実させたいと思って地域滞在型ゼミに参加したり、インターンに参加したり、友人と1週間の旅行に行ったり、実家に帰ったり、とにかく色んなことをした。

このころから本当の私の芽が出だした。
私の眠っている感覚を刺激し、希望の光を当ててくれる人に出会った。

出会いというものは人を大きく変えるらしく、少しずつ少しずつ一歩を踏み出し始めた。

踏み出し始めたからこそ、たくさんの辛いこと、苦しいことに向き合わないといけなかった。

本当につらかった。人間不信にもなったし、一日寝ていることしかできないこともあった。いっぱい泣いた。

ずっと自分の中に閉じ込めてきた感情や思いが溢れだすかのように猛烈にアウトプットしたり、溢れすぎて感情が狂ったりしていた。

それでも這い上がって、少しずつ強くなっている。大好きな仲間が少しずつ増えている。そんな仲間に支えられ、前を向いて進むことができている。

そして、この4月から私は新たなチャレンジとして福井へ旅立つことになった。入学したときは考えられない成長ぶり。ずっと今の部屋に住んでいると思っていたが、ついに明日この家を出ることになった。

寂しくなるかなと思っていたが、意外とさっぱりしている。福井の生活も不安があるようなないような感覚だし、頑張りすぎず前を向き続けたいと冷静に考えている。わくわくはしているけど感情が高ぶっているわけではない。表現しづらい不思議な気持ちで最後の一夜を過ごしている。

大切なことを見失わず、チャレンジし続けよう。私には仲間がいる。助けてほしいときは頼ればいいよ。かっこつけず、生きていけばいいよ。自分を信じてあげることも忘れないでね。


さよならぎふ。


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