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心と社会の研究室

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心と社会について、様々な角度から書いています。書く文章は、ひとりごとみたいなもの、エッセイ的なものから学術的なものまで、幅広く。
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2021年1月の記事一覧

いわゆる「いい子」や「いい人」の生き辛さ問題について

1.「いい子」が大人になったとき子どもの頃に、周囲から「いい子」と評価されて育ってきた方…

「援助」と「自害/他害」という真反対の方向に向かう生のエネルギーについて

1.「生きるリアリティ」と「援助」と「自害/他害」という真反対の方向に向かうエネルギー尊…

「自分らしく生きる」って何だろう?

1.もう聞き飽きたほどの、「自分らしく」とか「アイデンティティ」とか「自分らしく」といっ…

40年以上前に現代の子育てを見透かしていたかのような、河合隼雄の子育て論

1.過干渉と過保護は似て非なるもの心理学者の河合隼雄さんは、子育てについて優れた本をいく…

「祈り」にかえて――上野千鶴子『生き延びるための思想』

1.第二派フェミニズムと上野千鶴子さん日本を代表する第二派フェミニズムの牽引者、上野千鶴…

他者なきコミュニケーション――自己愛パーソナリティと心の未熟さについて

1.自己愛人間の登場小此木啓吾さんの『自己愛人間――現代ナルシシズム論』は、現代人の自己…

暴力はなぜ生まれるのか―序

1.大きすぎる問いと地道さ 学生時代には指導教官に、「きみのつけるタイトルは大きすぎる」とよく言われてきました(笑い話です)。 論文の執筆は重箱の隅をつつくような作業なので、できるだけ小さな問いを論証できる範囲で立てて立証していくのがいわゆる優れた論文です。 でも、日本で最も優れた社会分析をされた、私が尊愛する社会学者は、私が大きな問いをもつ姿勢を応援してくださった。たった一度だけ、鎌倉でお会いしたことがあります。 「この種は逆風の中に撒かれる」と言って、その方に撒かれ