《映画 モンスターハンター》あらすじと感想 ほぼネタバレ

 以前から書いている映画感想まとめにて、ほとんどあらすじの説明のために文章を使ってしまい長くなってしまった為、記事を別で分けることにする。以前の記事を既読の方はあとがき以外ほぼ同じ内容になります

 また本記事はタイトルにもある通りネタバレ全開で進行するので、予めご了承ください。

 それでは、以下映画感想。

<良かったところ>
●ディアブロスがめちゃめちゃ怖い。
●武器をとっかえひっかえすることでできる限り多くの武器を登場させようとする意志は感じる。
●CGは悪くない。

<良くなかったところ>
 キリがないのでざっくりあらすじを記す。尚、以下ゲームのモンスターハンターワールドについてはMHWと表記する。

 冒頭、モンスターハンターポータブル3rdでジエンモーランと戦った時の砂漠を駆ける船のようなもので移動をする大団長をはじめとしたMHWの村の面々。しかし横から現れたディアブロス(特に作中言及されないが本作に登場するディアブロスは全て亜種)に襲われ、トニージャー演じる多分重要人物の男性が船から放り出される。
 一方、主人公のアルテミス(ミラジョヴォヴィッチ)は自らの部隊を率いて砂漠内で姿を消した別部隊の捜索に向かうが、突如として出現した砂嵐に巻き込まれてしまい、気が付くとそこはモンスターハンターの世界であった。砂漠の真ん中で焼け爛れた別部隊の車両と巨大な骨を発見し唖然とする一行だが、彼らもディアブロスの急襲を受ける。犠牲を出しつつも乗ってきた車を乗り捨て、ディアブロスの体躯が入らない洞窟に逃げ込む一行だが、そこはネルスキュラの巣であった。心停止するミラジョヴォヴィッチ。止む無く他の隊員はミラジョヴォヴィッチを置いてネルスキュラの大群から逃げるが、すぐにつかまり餌にされてしまう。一方ミラジョヴォヴィッチは何故か1人で心拍が復活し生き返るも、彼女もまたネルスキュラに捕縛される。目が覚めると薄暗く湿った洞窟の中、彼女は天井から吊るされた繭の中で目覚める。周りには死体になった隊員たち。1人だけ生きていた隊員とともに脱出を試みるが、実は彼は腹部をネルスキュラに寄生されており、服を破ると胸部から大量の子蜘蛛が溢れ出し絶命。(ここまで体感20分)
 命からがら脱出したミラジョヴォヴィッチを待ち受けていたのはトニージャー。なんやかんや肉弾戦を経てトニージャーはミラジョヴォヴィッチを拘束。暗闇になると付近はネルスキュラで溢れかえる為、キャンプにて一夜を明かすが、異世界な為当然言葉が通じない。なんやかんやキレたミラジョヴォヴィッチは洞穴の簡易キャンプ内で暴れまわり、トニージャーが大事にしていた陶器製の御神体っぽい何かを蹴り飛ばす。さんざん無意味な喧嘩をした挙句今度はトニージャーの腕を拘束したミラジョヴォヴィッチはまだ肉弾戦を繰り返すが、誤ってネルスキュラの巣に落ちてしまいそうになったトニージャーを助けて和解。ミラジョヴォヴィッチは自らを指す単語として「レンジャー」、トニージャーを指す単語として「ハンター」、美味しい物を指す単語として「チョコレート」をトニージャーに教え、言語はほぼ通じないが軽いコミュニケーションと特訓パートが挟まる。その後ミラジョヴォヴィッチを囮にして罠にかけたネルスキュラの睡眠毒針を利用し、ディアブロスを撃退する。(実際には毒は完全には効かず、大剣を頭に突き刺して狩猟する)
 長めの徒歩パートが挟まり大団長率いるMHWの面々と合流するも拘束されてしまうミラジョヴォヴィッチ。檻の床に扉がついていることに気づき脱出するもすぐにトニージャーにバレてしまうが、大団長はミラジョヴォヴィッチのいた世界の言葉が信じられないほど流暢に話せたため、「誤解があったわすまんね」くらいのトーンで和解。なんでも「向こうの世界からやってくる人間は前にもいて言葉は勉強した」「(具体的に何と言っていたかは忘れたがポータルのようなもの)があり、それの調査に向かう途中」「付近に不死身のクリーチャーであるリオレウスがいるので奴を狩猟するのを手伝ってくれたらお前が向こうに帰るのを手伝ってやろう」といった説明パートが挟まる。合意したミラジョヴォヴィッチは大団長と協力関係を結び、大団長、ハンター、相棒、陽気な推薦組、勝気な推薦組のMHWではお馴染みの面子と共にリオレウスの討伐に向かう。果たしてミラジョヴォヴィッチは無事に元の世界に帰ることができるのだろうか。

 というのが今作の概要である。以下、突っ込んでいく。

 最初に脚本面だが、ミラジョヴォヴィッチのあまりにも多すぎる主人公補正に目を瞑るとしても、いくら何でも粗が多すぎる。
 まず大前提だがミラジョヴォヴィッチが軍隊である必要がない。モンスターの獰猛さを表現するための餌が足りないと思ったのか、リオレウスを現代兵器と無理やり戦闘させる為以外にまともな理由が思いつかない。(完全に蛇足だが現代兵器と戦うリオレウスを観てメタルギアソリッドシリーズのピースウォーカーというゲームを思い出した方はほかにどれだけいるだろうか)

 ちなみに、予告の最後にでっかく推している日本語吹き替え版の豪華声優だが、

画像1

リンク:杉田智和より下は全員ミラジョヴォヴィッチ率いる部隊の隊員のため開始20分で全員餌になって退場する
 さらに言えば異世界設定も邪魔でしかない。それに伴いどのモンハン世界にも存在しない超絶ファンタジー設定のポータルっぽいものも登場するけど、その周りの設定もガバガバ。というかその辺の設定ちゃんとする気がないならハナから異世界設定なんかつけないで普通にモンハン世界のことだけでストーリーを組み立てればいいのに何でこんなことになったんだろう。

 モンスターについても不可解な点が多く、ディアブロスに関しては石ころを投げて誘導するなど原作通りの描写はあるものの、ネルスキュラに関しては大型モンスターであるにもかかわらず画面いっぱいに大量に出現する。クリーチャーデザインとしても誰?となる変更がなされているし、そもそも小型モンスター以上に大量湧きされても反応に困る。リオレウスに至ってはブレスを吐くとき以外不死身という謎の属性を付与されているほか、行動原理が意味不明すぎる。ヘリと戦ったり戦闘機を墜落させたりというのはまだわかるが、搭乗している人をわざわざ啄んで捕食するのはいくら何でも余計である。そんなちっちゃいお肉を鉄からほじくりだして食べてもおいしくないとぼくは思うよ。リオレウス戦が終わってからサプライズ登場する彼については描写が短すぎてあんまり言うことはないがそもそもネルスキュラも彼もMHWには登場してませんよね?どっから湧いたんですか?

 登場するMHWのキャラクター達については、どいつもこいつも普通に嫌な奴になってて悲しい気持ちになるし、リオレウス相手に揃いも揃って全員火属性武器しか担いで来ないし、受付嬢と勝気な推薦組に関しては武器担いできてすらいないし本当に何しに来たんだお前ら。「もしかするとこの世界には属性の概念が存在しないのかも」と思いながらなんとか終盤に到達したら、サプライズ登場の彼との戦闘でトニージャーが見るからに雷属性の操虫棍を使っていて卒倒しそうになった。

 各描写についてはアクション的というよりもホラー的描写が多く、悪い意味で『「バイオハザード」シリーズ監督最新作』であることを強く感じた。

<総評>
 「モンスター」とあるからにはモンスターパニック映画にすれば喜ばれるやろみたいな、多分そんな人たちが作った映画なのではないだろうか。
 タイトルが「異世界蛮族日誌」ならまぁまぁなモンスターパニックだったなで終わりにできたが、「モンスターハンター」と書いてあったので許してはならない。これは断じてモンスターハンターではない。
 モンスターハンターはモンスターパニックホラーではなく、実はハンティングアクションであるということを最初に気付いてほしかった。

<あとがき>
 今回の感想については、私自身がモンスターハンターワールドという作品を後続のアイスボーン含め4年余り、発売当初一緒にプレイしていた仲間が離れていっても最後までやり続けており、大好きな作品であったが為にそれを侮辱された気持ちになってしまいつい熱くなってしまったことと、正直予告段階から見るからに期待できない出来だと思ってしまったので、内容について記述してもネタバレ気にしたり観に行く人のほうが少ないだろうというネットリテラシーの欠片もない最悪の考えから文章を打ち込んだら3000字を超えてしまったのでこのように記事を分ける運びとなってしまいました。

 これを読んで不快に思う方がいたら本当に申し訳ございません。映画レビュアーでも何でもないただの一個人の感想なので、こんな愚か者もいるのだなとそっとブラウザを閉じていただけますと幸いです。

 それでは。

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