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新テレビ学講義を読んで 〜概要〜

「新テレビ学講義」という本を購入し、読み始めた。
言葉が難しくてなかなか頭に入っていかないので簡単な言葉にまとめて感想と併せてnoteにメモしていこうと思う。
分厚い本でこれを読み終えて感想を書き終えるのには少し時間がかかりそうなので、読み終えた頃にはテレビマンとして成長し、自身の企画や編集に生かせることを取り入れ、最終的にテレビの未来に希望を持てればと思う。

まだ第一章までしか読んでいないので、まず今日はこの本がどういう本なのか、概要だけ記す。
著者は松井英光さんという方で、兵庫県西宮市出身、関西テレビに入社後在京キー局に転職し、ディレクターやプロデューサーを歴任、在社中に東大の大学院に通い、情報社会学博士になった方だそう。

内容について著作権侵害にならない範囲で私の言葉で書くが、もし内容と異なっている解釈をしてしまっていたら私の読解力不足なので申し訳ない。

この本の目的は、メディア社会学の中で多くの人たちによって語られてきた放送という媒体についての考察が、どれも「受け手」の研究に重きを置き、「作り手」の分析が不足していたり現実に即していないことを元制作者の立場から感じ、自らの手で新たな、受け手作り手両者の立場から分析したより詳細なメディア社会学としてのテレビの立場を明らかにするための論文である。そして最終的には斜陽産業である今後のテレビについての展望や希望を提示するというものであるようだ。

「テレビ分析において、受け手論が中心になりがち」という感覚は、私のような一端のテレビマンでも理解が及ぶ。
番組制作というのは極めてクローズドな環境で一部の世界の人たちだけでのみおこなわれ、取材や実地調査が難しい分野であることは私も思う。
さらに局によってどころか番組によって制作体制やシステム、思想などが全く異なり、最初から最後までを取材したり一概にまとめるというのが本当に難しい。
よって、受け手であったり、広告環境という方面からの分析を中心に行われてきた。
これを制作者としての経験から、両面を兼ね備えた、事実に即したテレビの役割や効果、過去から現状や未来を分析していくというのがこの本の重要なテーマであるようだ。

さらにもう一つ重要なテーマが、現在の「視聴率」の影響による編成主導型の番組制作の体制に関する考察である。これは内部の人間だからこそ感じる違和感や問題点を分析したものであり、我々のような日々疑問を抱きながら働くテレビマンにとっては最も興味のある分野である。

凋落していくと言われる現在のテレビ放送にはいかなる問題点があるか、その理由は何なのか、今後どうなっていくのか、我々テレビマンはどうすればいいのか、少しでもそのヒントを得ることができればありがたい。

私は大学時代に社会学を学び、現在テレビディレクターとして番組制作に携わっているので、これほどまでに「今読まなければ」と思う本はない。

第一章ではこれまでの国内外でのテレビ論の研究を例に挙げながら、現在に通ずる研究や不足する分野について触れている。引き続き読み進め、こちらに記していきたい。

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