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リュウセイホールが嫌いな理由

はじめに

この文章は個人の感想を述べたものであり、特定のカードやそれを使用するプレイヤーを否定する意図は一切ありません。




私が《超次元リュウセイ・ホール》が嫌いな理由は二つあります。

一つ目は、その汎用性の高さです。

ここでいう「汎用性」とは、さまざまな場面で有効に働く性質、を意味します。

例えば相手がハンデス偏重のデッキのとき、1ドローしながら《アクア・アタック<BAGOOON・パンツァー>》を出すことで、失った手札を補充できます。

相手が【速攻】などのビートダウンデッキのときは、3000火力を放ちながら《ブーストグレンオー》や《勝利のガイアール・カイザー》を出せば盤面を処理できます。《アクア・カスケード<ZABUUUN・クルーザー>》や《勝利のプリンプリン》でも攻撃を止められます。

ビッグマナ系相手にマナを伸ばされる場面でも、マナ加速と《魂の大番長「四つ牙」》で追い縋ることができます。

他にも《勝利のリュウセイ・カイザー》による妨害や、単にリソースを伸ばして自分の大型クリーチャーに繋げる動きは相手を問わず有効になりやすいです。《デュエマの鬼!キクチ師範代》のようなメタカードや《インガ・ルピア》のようなシステムクリーチャーも容易に除去できます。

このようにリュウセイホールは、モードと呼び出し先の選択肢が豊富であるが故に、様々な相手・様々な場面で役割を持てるカードであるという強みを持っています。

では、なぜこの"強み"が嫌いな理由に繋がるのかというと、そこには私のプレイスタイルが関係しています。

こちらは私が各シーズンでマスターもしくはレジェンドに到達するまでに使用したデッキです。
私はマスター到達をメインの遊び方としているので、シーズンごとにメインで使っていたデッキと言い換えることもできます。
表を見れば、特定多様なデッキタイプを使っていることがわかるでしょう。

さて、先程リュウセイホールは汎用性が高いという話をしましたが、それは私にとっては「自分が使う色々なデッキのほぼすべてにリュウセイホールが有効である」ということを意味します。

例えば【大地スネーク】はアンタップマナを利用したコンボデッキなので《勝利リュウセイ》が大変厳しく、【青赤黒ゼロフェニ】は《吸い込む》を含めた盤面除去が辛く、【青黒ブリティッシュ】はハンデスデッキなのでドローが効きます。

もちろんデッキ単位で見ればリュウセイホール入りのデッキが怖くないものもありますが、よりミクロな視点では「リュウセイホールを撃たれると辛い」という場面はどのデッキを使っていても訪れます。
辛いとまではいかなくとも、どんな場面でもある程度の働きをしてくるのです。

例えばこれがリュウセイホールではなく《ヘブンズ・ゲート》(天門)だったらどうでしょうか。

確かに天門は非常に強力なカードではありますが、どのような状況でも使える汎用性は持ち合わせていません。
【青黒キキカイカイ】のような手札を枯らせるデッキであれば眼中にも入りませんし、《「修羅」の頂 VAN・ベートーベン》1枚で効力を失うカードでもあります。
【赤白速攻】に対してさえ、シールドにあるかの42%の確率勝負になることがほとんどで、刺さる刺さらないの話にはなりません。

対して、どんなデッキを使っていても嫌でも眼に入ってくるカード、それが私にとってのリュウセイホールなのです。



私がリュウセイホールを嫌う二つ目の理由は、周りのカードパワーが追いついていないということです。

リュウセイホールの登場から1年経った現在でも、これほどまでの汎用性を持つカードは他に登場していません。
カードプール上の一強。極めて異質な存在です。

(余談ですが22弾クイックピックの《龍覇 グレンモルト》はもっと酷い有様でした。十数セットやったうちの半数程度はモルトにだけ負けて4勝でした)

多様なデッキで遊ぶことを好むような、いわゆるティミー的傾向の強い私にとっては、好ましい存在ではありませんでした。

この話をするときはいつも彼の顔が浮かぶ。同期だけど。

TCG版で《天災 デドダム》の後に《T・T・T》などが登場したように、周囲のカードパワーもリュウセイホールを基準に上昇すれば気にならないのかもしれませんが、5コストの3色カードは《キリュー・ジルヴェス》《鎧亜の牢獄》《アガチャー》止まりで、どれもリュウセイホールには及びません。

それに加えて、リュウセイホールが3色カードであることも好ましくありません。

決して私が3色カードが嫌いというわけではありません。《偽りの名 スネーク》はお気に入りのカードですから。

ではなぜ良くないかというと、一強たるカードを使えるのが火水自然の3色を含むデッキのみであるという、デッキ構築の縛りを生み出しているからです。

先の表にあった【青緑JCAサスペンス】は火を含まないビッグマナですが、使っている最中もリュウセイホールの不在による対応力の不足を実感していました。
(もちろん差別化はできており、リュウセイホール入りのデッキに対する策を仕込むことでレートを上げることができたので、劣化というわけではありません。ただ個々のカードパワーでリュウセイホールを上回ることはできませんでした)

カジュアルデッキを使う上では、この水火自然入りのデッキだけがリュウセイホールをパワーカードとして取り入れられるというのは、必ずしも好ましいこととは言えません。

例えば【青赤緑スペルギア】は、既存のコンセプトにリュウセイホールが合致した良い例であると言えます。

逆にリュウセイホール入りのいわゆる「シータ基盤」が強力であるからこそ、それを利用してマイナーなカードを活躍させることができる場合もあります。

このようにカジュアルデッキやマイナーカードにとって有難い存在となる場合もありますが、その一方でリュウセイホールの活躍による勝利が「コンセプトを成立させること」による勝利より容易になってしまい、結果としてコンセプトが阻害されるという事態も起こり得ます。

実際に、《強奪者 テラフォーム》と《新世界 シューマッハ》のコンボを狙うデッキを組んだ際、《テラフォーム》が除去に弱いせいでコンボが成立しづらく、5マナあるならリュウセイホールを撃った方が確実という結論に至ってしまったことがあります。
(これを私は「乗っ取り現象」と呼んでいます)

以上のように、私がリュウセイホールを嫌いな理由は

  1. 自分が使うどのデッキに対しても有効打となり得る汎用性

  2. デッキ構築を縛る3色カードでありながら他の追随を許さないカードパワー

の2点です。

おわりに

散々リュウセイホールの嫌いな点を述べてきましたが、この感情は時間と共に薄れていくだろうとも思います。
実際、1年前は極度に嫌っていた《大河聖霊エル・ドラード》や《超次元ガード・ホール》も、今では使われても全く気に障らない程度になっています。

ゲーム性の変化によって超次元呪文の存在が環境で許されなくなるとき。カードパワーがインフレし、リュウセイホールと同等以上のカードが数多く登場するとき。
それまで、ADで大人しくしていてほしいものです。

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