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がっかりを超えた先に J1第1節vs鹿島アントラーズ マッチレビュー

開幕戦の振り返りnote。
あまりの内容にメンタルが落ち込んでしまい、筆が遅れてしまいました。

試合サマリー

「目標は(何かしらの)タイトル争い」を掲げて期待と共に始まった開幕戦は、まさかの前半30分で決着。

鹿島のハイプレスに屈し3本以上のパスは繋がらず、初回のセットプレーをエリア内でフリーで合わせられ、CBのロストから失点。
鹿島相手にこの入りをしてしまえば、たとえマリノスであっても逆転は難しい。

後半は流しながらカウンターを狙ういつものアントラーズに。相手のクリアミスから得た唯一の決定機もモノにできず。

フィジカルメンタルテクニック、サッカーに必要な全ての要素で上回られ続ける90分。
何も、何も、何もできませんでした。

サポーターの声量に対する批判があるようですが、この惨劇を見せられてフルで叫べと言うのも無理があると思います。
私もがっかりを超えて呆然としてしまい、鈴木優麿に怒る気力すら持ち合わせていませんでした。

RevUp...を謳っていますが、改善どころか去年の良さすら失われています。改善しようにも問題が多すぎて1週間でどうこうなる状況ではなさそうです。

名古屋戦に向けてどう取捨選択して間に合わせるか。いきなり正念場が来てしまいました。

試合に臨む姿勢の違い

アントラーズの「本気」

徹底したハイプレスに苦しみましたが、以下のとおり鹿島はハイプレスを軸とするチームではありません。

ハイプレス回数:837回(18位)
ハイプレス成功率:358回(18位)
ハイプレス成功率:42.8%(12位)

【Jリーグ】STATS REPORT(2022)

ハイプレスが得意ではないどころか、不得意と言ってよいデータが出ています。
「自陣でセットしてロングカウンター」がアントラーズの基本スタイルであるとのスタッツも出ています。

そんなチームが、鹿島アントラーズが、自分たちのスタイルをかなぐり捨ててまで勝利に徹してきました。

サンガにハイプレスを回避する能力がなく、ロングボールでサンガのハイプレスを回避すれば凡庸以下のチームに成り下がる。昨季16位のサンガを相手にしても、リスペクトして入念に準備してきたのだろうなと思いました。

一方で、サンガはどうだったでしょうか。
揚げ足取りは好きでありませんが、井上の「鹿島さんの本気のサッカーに押されてしまった部分がありました」の一言にチームの緩みが集約されているのでは、と感じてしまいました。

(開幕前に監督の進退問題が出てしまった)アントラーズと同じくらいの危機感・緊張感を持って勝負に臨んだのか。
やる気が感じられないとは言いませんが、勘違いした雰囲気がチームに流れていないでしょうか。
心配になってしまいます。

目標の修正

結果以上に差を見せられた手痛い敗戦でしたが、大きな収穫がありました。
それは「サンガは『タイトル』を口にしてよい立ち位置ではない」を、改めて実感できたことです。

キャンプの手応えや曺監督の目標設定は良好で高いものでした。かくいう私もそれを聞いて期待しすぎた部分がありました。
しかし今年の現実的な目標はあくまで「17位・残留」であり、タイトル争いではありません。

勝負をかけるのは来年からで。今年はまた我慢の年になるでしょう。苦しむと分かっていれば耐えることもできます。

自分の立ち位置を見誤ったままシーズン後半に…よりはマシと、ポジティブに考えます。

個人評価

若原 5
ハイプレスに屈し全く捌けず。リズムを手放す原因に。シュートストップで貢献したが、パス精度に難があり過ぎてこれでは厳しい。

白井 5.5
高い位置取りを見せたものの攻撃には絡めず。スペースは消され良い形でスプリント勝負に持ち込めず、得意のビルドアップや持ち運びも空回り。あと、左起用は良さが消えるだけでした。

井上 5
ハイボール対応とビルドアップがお粗末。昨年の安定感は鳴りを潜めました。小競り合い含めて開始15分で鈴木優磨の手玉に取られる。これもまた経験。

麻田5
相変わらずの安定感。空中戦対応は見事。だったのですが...。福田のカバーに追われた面を差し引いても、低い評価にせざるを得ない。切り替えて次に行きましょう。

あと「福田に当てた時点で…」とのツイートが話題になっていますが、枝葉の話と思いました。福田に当てざるを得ない状況になっている原因を考えるべきです。

福田(OUT:68) 5.5
プロ初の公式戦で不慣れな左サイドで先発。パフォーマンスは低調でしたが個人を責めるつもりはありません。左サイドを甘く見て編成した強化部と起用した監督の責任。
露骨に狙われて苦戦しながらも積極性を失わないメンタルは◎

川崎 5
イージーミスと共に失われた積極性。一つとして効果的に捌けませんでした。フィジカルでも圧倒され良いところなし。

武田 5.5
パスコース作りに奔走したが報われず。珍しく技術的なミスも散見される。武田を狙えば京都の中盤は機能不全になる、が去年のままです。

福岡(OUT:45) 5
フィジカルバトルに晒されて仕事をさせてもらえず。本人だけの責任ではないのですが...

豊川(OUT:45) 5
斜めに走ってるだけの45分。収まらず守備もハマらず。これも本人だけの責任ではありませんが。

山﨑(OUT:53) 5
引き出す動きが悪く、たまに刺さった楔もイージーミスでロスト多発。昨年終盤戦に見せた姿はどこに...

木村(OUT:45) 5
ボールが足に付かず不用意なロストが多い。持てば前に突進するから迫力は出てたまに会場が湧きますが、チームの単発攻撃傾向に拍車をかけてトータルではマイナスです。松田天馬の不在を強く感じました。

パウリーニョ(IN:45) 5.5
ドリブルは良いのですがフィジカルで潰されるシーンが目立ちました。良い形でパウリーニョに渡せるシーンを作る必要があります。

アピアタウィア久(IN:45) 5.5
守備に安定感をもたらしてくれました。空中のボール捌きが不安定すぎるのですが、そのあたりはご愛敬でしょうか。コンディションを戻して戦列完全復帰が待たれます。

一美(IN:46) 6.5
数少ない光明の一つ。自分でもぎ取った決定機は決められませんでしたが、キレのある動きで起点になりシュートまで完結させる。
相手の脅威になっていましたね。頭から見たい選手です。

パトリック(IN:53) 6
流石の空中戦。起点になるところやパスの捌きもそつなく、今後に期待が持てるパフォーマンスでした。

谷内田(IN:68) 6
数少ない光明の一つその2。鹿島の樋口のプレースキックも素晴らしい精度でしたが、谷内田のキックはその上を行っています。ボール奪取や展開も良く栃木で良い時間を過ごせたことがひしひしと感じられました。
頭からぜひ見たい選手。

チョウキジェ 4.5
RevUpどころかシーズン全体に暗雲が立ち込めるチームの仕上がり。課題が何一つクリアされていません。
選手起用も当たらず。システムもメンバーも入れ替えたが実は結びませんでした。珍しく積極的に交代カードを切った点だけは高評価。

試合後の監督コメント見ましたが「後半良くなった」と。それは鹿島が意図的にペースを落としただけの話です。現実としっかり向き合ってほしい。

敵ながらあっぱれ賞(相手チームMOM)

鈴木優磨
賛否あるのは置いておきます。プレーもプレー以外でも躍動。完全に後ろのリズムを崩されました。


以上です。
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