見出し画像

第7回講談教室発表会 振り返り

2023年12月24日(日)14:00~17:00
第7回旭堂南湖講談教室発表会でした。
(動画は下記からご覧下さい)

2020年の12月から始まった発表会。
早くも7回目とは、驚きです。

今回私は、「江戸川乱歩と神田伯龍」(作:芦辺拓)という新作講談を勉強させていただきました。南湖先生のために作家さんが書き下ろしされた作品です。貴重なネタを勉強できて、貴重な機会でした。3分講談(創作)は、探偵講談にちなんで「私立探偵・岩井三郎」。実在した日本初の私立探偵である岩井三郎の事件簿から、保険金詐欺事件を解決した話を誂えました(台本は下記リンク)。

7回目になり、ようやくすこーーーーしだけ、楽しめる余裕が出てきましたが、それでも9割は緊張と不安(高座で台詞が飛ぶ夢を見る)。それを払拭するには稽古しかないので、とにかく最低1日1回は読むこと、録音録画をして客観的に自己分析をすることに努めました。

YouTubeの動画を見返すと、無数に反省点が見えてきますが(腕時計を外し忘れていて、喋りながら素知らぬ顔で外しています…)、先生からは、クライマックスの場面は振り切った演技でお客さんを引きつけることが出来ていた点と、全体的に楽しそうに読めていた点を評価していただきました。

今回の数ヶ月間の稽古を通して学んだことは沢山ありますが、以下のポイントを意識的に稽古してきました。

①乱歩の職業遍歴や作品名の言い立てを、いかにテンポ良く聞かせるか。
②①は劇中の神田伯龍が喋っている体(てい)なので、劇中劇ならぬ「講談中講談」を、どう立体的に読み分けるか。
③伯龍が正体を現す場面を、いかにドラマチックに演じるか。

これまで学んだ古典講談とはまた違った構成・展開で、ものすごく難しかったです。自分で読むと、のっぺり・もったり・単調になるので、とにかくお手本を何度も繰り返し聴き、時には聴きながら一緒に喋ってみたりして、声の強弱やスピードを真似するように努めました。

でも、全然できないです。当然も当然なのですが、自分のスキルでは、先生のような自在な声も出ないし、ワンフレーズを一息で話すことも出来ない。スピード感も出せない。台本には、息継ぎ箇所・抑揚・声の強弱・テンポなどを聞き取って、楽譜のようにびっちり書き込むし、「こんなふうに演じたい」という理想は描けるけれど、決してその通りには絶対に出来ない。いつものことですが、自分が講談を習い稽古をするプロセスを経て、あらためて「プロって凄い」と、至極当たり前のことを身を以て再確認するのです。

南湖先生のこの日の演目は、「夜もすがら検校」でした。
鳥肌もので、前のめりで聴きました。
きっと来年もどこかで掛かるので、皆さんに絶対聴いてほしいです。

私は、先生の読む「シリアスでドラマチックな演目」が大好きです。笑いの多い上方らしい朗らかなお話ももちろん素敵なのですが、緊迫感のある人情噺で、場の空気をピリッ・ピシッと変えていく、その読み口に圧倒されます。(先日のなみはやフェスで、南北先生との車読みで掛けられた「大石東下り」も感動でした)

袖から間近で聴いていたのですが、お客として前から聴くのとは違って、間近で所作や声の調子を勉強できるのがとても贅沢で、これも発表会の醍醐味だなあと思ったのでした。

半年に1回の発表会に向けて、じっくりお稽古する時間が、すっかり生活の一部になりました。他の皆さんのお稽古を聴く中で学ぶことも多いですし、仲間として切磋琢磨できるのも有り難い。とても居心地のよい教室です。

終演後。

次回は夏。
何を教わろうか、また贅沢な悩みの中にいます(決められない)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?