見出し画像

ブランドロゴ一新のTAYA、美しさを軸にしたトータルビューティカンパニーを目指す

「美しさ」を軸に、今まで以上の体験とサービスを提供するトータルビューティカンパニーを目指す田谷が、ブランドロゴとカラーを一新しました。
その狙いはどこにあるのでしょうか。

■田谷がブランドロゴを一新

「美容室TAYA」はブランドコンセプトの一新に伴い、ロゴとカラーをリニューアルしました。

・コンセプトは「お客様と私(美容師)」

新しくなったブランドロゴに込められているのは、お客様一人ひとりの美や要望、悩みに寄り添うという「お客様と私(美容師)」という思い。
TAYAの「A」から横のラインを取り払い、漢字の「人」と見立てることで「人と人」を表しているそうです。
これまで使用されてきたロゴについては、今後も田谷のコーポレートロゴとして使われるとのこと。

・ブランドカラーは安らぎや心地よさを表現

TAYAの新ブランドカラーはヌードベージュを基調として次の4色を配置。

◎TAYAグリーン
◎ナチュラルウッド
◎シャドウブラック
◎ホワイト

上質な安らぎや心地よさを表現するとしています。
なかでも注目なのがTAYAグリーンと名付けられた濃い緑色です。
印象に残る深緑がアクセントカラーとなりTAYAのビジュアルアイデンティティを効果的に表現してくれるでしょう。

■TBCグループと業務提携

田谷が取り組んだのはブランドコンセプトのリニューアルだけではありません。
エステティック業界のリーディングカンパニーとして知られるTBCグループとの業務提携も行っています。
これには田谷の方針が大きく関係していました。

・田谷とTBCグループの業務提携の内容とは

田谷とTBCグループによる業務提携の締結は2024年2月14日付。
田谷はTBCグループおよび関連会社と包括業務提携基本契約、本業務提携契約に基づく業務提携を締結しました。
これにより、次の4つについて業務提携が行われることとなります。

◎両社顧客の相互送客
◎キャリアパスの充実化と教育支援・採用活動支援
◎美容室TAYA内におけるトータルビューティサービスの提供支援
◎その他幅広し業務提携

田谷には好立地な美容室の店舗網や、スキルのある美容師を育成する人財開発力があります。
一方でTBCグループにはエステティックをはじめとした様々な美容サービスと、高い商品開発力があり、それぞれ得意分野が異なります。
双方の強みを合わせることで顧客満足度や収益性のアップ、付加価値の向上を図るのが今回の業務提携の狙いです。

・トータルビューティカンパニーを目指す

田谷が、美容サービスを得意とする企業と手を組むのには理由があります。
田谷では「人生が潤う美しさを」をTAYAのブランドコンセプトとし、「美しさ」を軸に今まで以上の体験とサービスを提供できる企業こそがトータルビューティカンパニーであるとしました。
今後はより多くの人から必要とされる企業を目指すとしています。
TBCグループとの業務提携には採用や人材育成といった部分も含まれており、これにより競合他社との差別化が推進できるとともに、両社の美容ビジネスの持続的な発展へとつなげていくことも目的だそう。

・TAYAは中核ブランド

田谷はいくつかのブランドを展開していますが、その中でもTAYAは中核的な存在でした。
そんなTAYAのブランドコンセプトを「人生が潤う美しさを」としたことでトータルビューティ方針を強く印象付ける格好となっています。
このコンセプトには容姿的な美しさはもちろん、それにより生まれるポジティブな感情がより、その人の人生を彩り豊かにし、さらなる美しさにつながることを目指しているそう。
そのため、ビジュアルコンセプトには美しさと洗練さの他に上質でありながらも落ち着きや安心感のある「Natural Luxury」を設定。
今後は、

◎技:施術の手法や技術
◎質:落ち着いた環境と美への高揚感
◎志:パーソナライズされたおもてなし

という3つを組み合わせた価値を提供してくとしています。

■SDGsへの取り組み

美容業界でもSDGsへの取り組みが活発になっています。
持続可能な社会の実現と持続的成長を目指し、田谷でも2021年に構造改革プラン「T9」を策定しました。
収益体質の強化を図り、利益に着目した成長戦略へ転換するとの基本方針により、次の9つの項目を2021年度に実施するというもの。

◎店舗運営の再構築
◎優良顧客の囲い込み
◎ブランディング力の強化
◎生産性の追求
◎営業・技術力の強化
◎商品販売の拡大
◎固定費の削減
◎経営迅速化に向けた組織再編
◎ESGの推進

なかでも注目なのがESGの推進です。
田谷は「すべての人に夢と希望を与え社会に貢献する」との企業理念を掲げており、ESGの推進はこの企業理念から生まれたといえます。

・ESGの推進とは?

田谷のSDGsへの取り組みを知るにはまず、ESGの推進について理解しておく必要があります。
ESGとは、環境(Environment)・社会(Social)・企業統治(Governance)の頭文字を取ったもので、この活動により持続可能な社会の実現と持続的成長を目指すというのが田谷の方針です。

◎環境(Environment)
環境負荷の低減、環境に優しい商品の開発。
働き方改革に取り組み、社員者その家族の豊かで健康的な生活の実現。

◎社会(Social)
女性や高齢者、障碍者の雇用と活躍を図り、ダイバーシティを推奨。
仕事と育児を両立できる職場環境の提供。
福祉などへの社会貢献活動の実施。
町のパワースポットとしてのサロンづくり。

◎企業統治(Governance)
迅速な経営情報の開示。
経営の安定性と健全性、透明性を確保できる体制の構築。
リスクマネジメントの強化。

・SDGsアンバサダーの起用

ESGの推進により本格的にSDGsへの取り組みを始めた田谷は、2021年にSDGsアンバサダーを設けました。
そこで起用されたのが建築デザイナー、ファッションモデルとして活躍するサリー楓さんです。
「すべての人の同じ技術とサービスを提供する」との取り組みを行う田谷では、トランスジェンダーの当事者としてLGBTQ関連の講演会なども行っているサリー楓さんを起用することで積極的な情報発信を行うとしました。
大学在学中にトランスジェンダーとして活動を始めたサリー楓さんは「ミス・インターナショナル・クイーン 2019 日本大会」でファイナリストに選出されています。
ドキュメンタリー映画「You decide.(邦題:息子のままで、女子になる)」では主演を務め、「ロサンゼルス・ダイバーシティ・フィルムフェスティバル2020」にてベストドキュメンタリー賞を受賞しました。

・テーマは「Leap」

田谷がSDGs活動のテーマとしたのが、飛躍を意味する「Leap」でした。
年齢や国籍などによる差別のない社会、だれもが輝き、幸せになれる社会の実現に向けて未来へと進んでいく、それが、田谷が目指すSGDs活動です。
美しさを追求し、お客様に寄り添った提案と技術、サービスの提供を行う美容室だからこそできる活動であるといえるでしょう。

■社外取締役に生稲晃子氏

ESGの推進に取り組む田谷では、女性の雇用と活躍という観点から女性役員の登用を検討していました。
そんななかで社外取締役として就任したのが生稲晃子氏です。
女優としてはもちろん、参議院議員として国政の場でも活躍する生稲晃子氏であれば社会貢献だけでなく、消費者としての観点からも助言が期待できるとしています。
生稲晃子氏は1986年におニャン子クラブのメンバーとして芸能界デビューし、数多くのテレビ番組に出演するなど活躍。
2016年に内閣府「働き方改革実現会議 / 働き方改革フォローアップ会合」にて民間議員に就任した後は様々なプロジェクトへ参画し、幅広い活躍を見せています。

■田谷とはどんな会社?

美容室大手チェーンであるTAYAを運営する田谷は、新しい取り組みに積極的な会社です。
詳しい会社情報をみていきましょう。

・会社概要

◎社名:株式会社田谷
◎所在地:〒151-0051東京都渋谷区千駄ヶ谷五丁目23番13号
◎TEL:03-6384-2221
◎URL:https://www.taya.co.jp/
◎代表取締役会長CEO:田谷和正
◎代表取締役社長COO:中村隆晶
◎創業:1964年10月10日
◎設立:1975年9月30日
◎資本金:5,000万円

・経営理念

田谷の経営理念は次の2つ。

◎人材を育てていくこと
◎企業としての田谷を育てていくこと

優秀な人材がいなければ企業の成長は見込めず、また、しっかりとした経営基盤がなくては人材の成長もあり得ないというのが田谷の考え。
それはマネージメントにも表れています。
田谷では能力を追求する技術教育部と、能率を追求する営業部というダブルシステムでマネージメントを行っています。
それにより担当ブランドやエリアにおいて技術と営業がそれぞれ責任をもって連携できるため、お互いがサポートし合えるという安定感のある関係性が構築されました。

・経営戦略

企業経営において重要な要素としてシステムやデータといったデジタルツールの活用が欠かせないと田谷は考えているそう。
創業から60年を迎える田谷ではこの考えの下に膨大なデータを蓄積し、継承してきたそうです。
美容室経営は美容師とお客様が直接対話することで成り立ち、これはこの先も変わりません。
しかしそこにデジタルが融合することでさらなる発展があると考え、サステナブルな企業価値の創造のためにも「デジタルと人の融合」による美容室経営を実践していくことがもっとも重要かつ基本的な戦略であるとしています。

・節目の年に最終利益の黒字化を目指す

美容室経営の老舗ともいえる存在の田谷ですが、時代の流れに伴う変化により厳しい経営状況が続いています。
これは田谷に限ったことではなく、美容業界全体にいえることでしょう。
そうしたなか、創業60周年を迎える2024年には最終利益の黒字化を実現すべく、田谷では様々な戦略をとってきました。
T9やSDGsへの取り組みはその一環です。
その後も2022年には中期経営計画「T-ip60」を策定し事業構造改革、戦略的リブランディング、DXなどを実行し、早期の経営改善と利益体質の実現を目指しています。
2023年度は「技・志・質」をスローガンに掲げ、多様化に柔軟な対応ができる体制づくりも実施。
美容室経営からトータルビューティカンパニーへとなるべく、ロゴやカラーといったブランドアイデンティティも一新、目標の実現に向けて変化を続けています。
 

大手美容室チェーンの田谷は、創業60年を迎えるにあたり美容室TAYAのブランドコンセプトを一新しました。
「人と人」とのつながりを意識したロゴや、「美しさ」を軸にしたトータルビューティカンパニーなど、これまで以上にお客様に必要とされる企業を目指すとしています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?