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業務委託サロン大手のヘッドライトにて社長人事

業務委託サロン大手の株式会社ヘッドライトにて社長人事が行われました。
2024年7月1日付で小松俊介氏が代表取締役に就任。
前任である髙橋健介氏は退任となります。

■株式会社ヘッドライトの代表取締役に小松俊介氏が就任

株式会社ヘッドライトの新社長に就任した小松俊介氏は元々、SBIアルヒにて執行役員と経営企画本部長を務めていた人物です。
また、アルヒRPAソリューションズの社長も兼任。
ところが2024年6月1日付で親会社への吸収合併が行われます。
小松俊介氏は7月1日付で株式会社ヘッドライトへ入社するとともに代表取締役に就任しました。
SBIアルヒは住宅ローン専門の金融機関であり、その規模は国内最大手といわれています。

■多様化する理美容室経営

働き方の多様化が進むなかで理美容業界でも経営形態が変化しています。
大手チェーンや個人経営のサロンなどに代わって存在感を見せ始めているのが業務委託タイプやシェアタイプのサロンです。
また、モールタイプといったこれまでにない形態も登場しました。

・業務委託タイプのサロンとは

業務委託タイプの一番の特徴は雇用形態です。
サロンが美容師を雇用するのではなく、業務委託契約を結びます。
そのため給与は歩合制で、フリーと指名でそれぞれに還元率の取り決めがあるのが一般的。
集客についてはサロン側が行うので、顧客を持っていない美容師でも働きやすいです。
その代わりメニューや料金についての決定権はサロン側にあり、個別に設定することはできません。

・シェアタイプのサロンとは

サロン空間を美容師同士でシェアして使う、というのがシェアタイプの特徴です。
そのためサロンと美容師の間に雇用関係は一切なく、美容師側が場所の利用料を支払って、作業を行うことになります。
利用時のみに支払うスポットや、利用回数にかかわらず月額料金が決まっているなど、利用料の支払い方はサロンによって異なります。
また、売り上げに関しても時間貸しにプラスして売り上げ歩合が定められている場合も。
集客は完全に美容師個人にて行う必要があるが、メニューや料金などは自由に設定できるため、顧客とスキルがある美容師には働きやすいタイプのサロンといえます。

・モールタイプのサロンとは

アメリカで大成功した美容室形態なのがモールタイプのサロンです。
日本では2021年に登場しました。
モールタイプとは、一つのフロアに個室タイプのサロンが並ぶというもの。
それぞれのサロンは独立しており、美容師一人ひとりがオーナーになります。
オーナーとなった美容師は、フロアを提供するサロンと契約してテナント料を支払います。
スペースを借りている状態となるため、集客は各自で行わなくてはなりません。
ただし、メニューや料金は自由な設定が可能です。

株式会社ヘッドライト

■株式会社ヘッドライトは「業務委託タイプ」のサロン

多様化が進むサロンの経営形態ですが、株式会社ヘッドライトは業務委託タイプです。
全国に約160店舗を展開し、所属する美容師は850人を超えます。
業務委託タイプで懸念されるのが雇用関係といわれています。
業務委託のはずが、いつの間にか事実上の雇用契約になってしまっているケースが多々発生しており、美容師が不利益を被ってしまうことも。

・そもそも業務委託とは

一般的に業務委託とは、ある業務を外部へ委託することです。
委託先は会社の場合もあれば個人の場合もあります。
サロンに関していえば、フリーランスで働く美容師個人にサロン業務の一部を委託すると考えるといいでしょう。
直接雇用との大きな違いは、サロンからの指揮命令を受けることなく、自由に業務を遂行できる点です。
業務委託には労働基準法が適用されないことから、「労働時間を自分で決めたい」「複数のサロンを掛け持ちしたい」といった自由度の高い働き方をしたいという美容師に人気があります。
ただし注意点も。
サロンによっては、業務委託であるにもかかわらず、業務内容に細かい指示を出してくるところもあります。
業務委託といいつつ実態は事実上の雇用契約となっているのであれば、労働基準法の適用となる場合もあるので契約書の取り交わしの際はしっかりと確認し、不明瞭な点は明文化しておく必要があるでしょう。

・株式会社ヘッドライトの経営方針は「美容師ファースト」

業務委託タイプのサロンで起こりえるもう一つの問題がインボイス制度の施行による美容師への影響です。
インボイス制度とは、売上1,000万円以下の免税事業者の益税を解消するもの。
免税事業者には個人事業主であるフリーランスの美容師も含まれます。
インボイス制度の施行により発生する負担について、サロンと美容師のどちらが持つのかが大きな焦点となりました。
株式会社ヘッドライトではサロン側が負担することを決定。
免税事業者・課税事業者どちらを選択した場合でも美容師の不利益にならないよう、次の方針を打ち出しています。

◎免税事業者には従来通りの税込み金額を支払う
◎課税事業者には通常報酬に5%上乗せして支払う

あくまで美容師の報酬をキープする「美容師ファースト」な方針を進めたことで、所属する美容師が増えたとのこと。
他業界に比べて離職率が高く、慢性的な人材不足が懸念される美容業界で株式会社ヘッドライトの方針が注目を集めています。

■株式会社ヘッドライトが開催するコンテスト「STYLISTA」とは

株式会社ヘッドライトが2022年から開催しているのが「STYLISTA(スタイリスタ)」と呼ばれるコンテストです。

・STYLISTAの概要

技量やサービス力といった顧客満足度の高い美容師を認定するコンテストです。
評価は3段階あり、それぞれ星のマークで表されるとのこと。
対象となるのは株式会社ヘッドライトが展開するサロンに所属する美容師約850人。
指標は次の通り。

◎星1つ
一度は受けてみたい優れたサービス力と施術力を有する、非常に高い顧客満足度を持つスタイリスト

◎星2つ
感動するレベルの高度なサービス力と施術力を有する、極めて高い顧客満足度を持つスタイリスト

◎星3つ
遠方からでも通う価値のある非常に高度なサービス力と施術力を有する、最上級の顧客満足度を持つスタイリスト

選定の結果、指標に合致した美容師は「星付きスタイリスト」として表彰されます。
星付きの称号は1年間保持されるそう。

・STYLISTAの選定方法

コンテストによって美容師としての自信ややりがいを感じてもらうのはもちろん、お客様に支持される真のプロ美容師を増やしたいという想いから誕生したといいます。
そのため、社内コンテストでありながら選定はかなり本格的です。
調査や評価は第三者機関であるMS&Consulting社のミステリーショッピングリサーチ(MS)にて行われ、調査票もコンテスト用に作成したものを使用する徹底ぶり。
1回目の調査にて成績が上位だった美容師に対して2回目の調査を行い、その合計点が得点となります。
さらに、株式会社ヘッドライト独自に設けたお客様満足度測定指標による点数を加えて星付きを決定するそう。

・美容師一人ひとりにフォーカスを当てられるように

STYLISTAは前社長である髙橋健介氏によって実現したコンテストです。
美容師という仕事に対して誇りと自信を持ってほしいということと、一人ひとりの活躍にフォーカスを当てられるようなイベントを開きたいという想いから実現したとのこと。
日ごろの仕事ぶりを振り返ったり、自分で自分をほめてあげたりする機会や場所を提供するのがSTYLISTAだとしています。
 

業務委託サロン大手の株式会社ヘッドライトにて社長人事が行われました。
人材不足が続く美容業界で順調に所属美容師を増やしている株式会社ヘッドライト。
この人事によってさらなる成長を遂げようとしています。


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