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@cosmeベストコスメアワード2023総合大賞はオルビスの「エッセンスインヘアミルク」に

株式会社アイスタイルは2023年12月に「@cosmeベストコスメアワード2023」を発表しました。
例年と違い、デパートコスメ(デパコス)と呼ばれる高価格帯のコスメが多数ランクインしている模様。
物価高が続くなかで、どのような変化が起きているのでしょうか?

■@cosmeベストコストアワード2023発表

化粧品や美容の総合口コミサイトである@cosme(アットコスメ)が毎年行っているのがベストコスメアワードです。
2023年12月7日には「@cosmeベストアワード2023」が発表となりました。
総合大賞に選ばれたのは、オルビスのエッセンスインヘアミルクです。
2022年に比べて口コミ数が5倍以上、@cosmeTOKYOでの売り上げが21倍となったことなどから総合大賞に輝いたそうです。

■@cosmeベストコスメアワードとは?

毎年恒例となっている@cosmeベストコスメアワードの発表ですが、どのような基準で誰が選定しているのか知らないという人も多いでしょう。
まずは@cosmeベストコスメアワードについてみていきます。

・1年間に投稿された口コミを集計して選定

@cosmeベストコスメアワードは、口コミサイトである@cosmeへの投稿によって決められます。
前年の11月1日~本年10月31日までを1年とし、この1年間にクチコミが投稿されたすべてのアイテムが対象です。
@cosmeベストコスメアワードには、前年11月1日~本年4月30日の半年間に発売された新作アイテムを対象とした「上半期新作ベストコスメ」もあります。
どちらも口コミ内容に加えて注目度や安全性、信頼性、正確性などを1アイテムごとに細かく評価し、慎重に審査しているとのこと。

・選定の際には誓約書へのサインが必要

選定に携わるのは、@cosmewを運営する株式会社アイスタイルの社員です。
限られたメンバーしか参加できず、その際にも集計や選定などの方法を他言しない旨、誓約書へサインをしなければならないとのこと。
徹底した審査体制により、@cosmeベストコスメアワードは選出されています。

■殿堂入りはどうやって決まる?

@cosmeベストコスメアワードではランキングとは別に「殿堂入り」部門を設けています。
2023年は12アイテムが殿堂入りとなりました。
殿堂入りの選定基準については、次のような条件があるそうです。

◎毎年開催するアワードにて複数回1位を獲得していること
◎@cosmeメンバーからの支持を不動のものとしていること

こういったアイテムに対して敬意を表し、殿堂入りとしているとのことです。

■総合大賞はオルビスの「エッセンスインヘアミルク」

総合大賞を受賞したオルビスのエッセンスインヘアミルクとはどのような商品なのでしょうか。

・あらゆる髪の悩みをケアしてくれるヘアミルク

オルビスのエッセンスインヘアミルクは、美容液入りの洗い流さないタイプのヘアトリートメントです。
スプレーしてなじませるだけで髪の内部を補修してくれるのでパサつく毛先もサラッとまとめてくれます。
熱に反応して疑似的なキューティクルをつくるヒートプロテインが配合されているので、ドライヤーの熱による髪のダメージを防いでくれるのはもちろん、サラサラとした仕上りになるのが大きな特徴です。
また、スタイリング時に髪になじませれば一日中、まとまりのある髪をキープしてくれます。
パサつきや広がり、枝毛やツヤ不足といったあらゆる髪の悩みをケアしてくれるのがオルビスのエッセンスインヘアミルクです。

・ヘアケア商品の受賞は珍しい

毎年行われている@cosmeベストコスメアワードでは、リップやアイシャドウ、ハイライトといったアイテムが選ばれることが多く、ヘアケア商品が受賞するのは珍しいことでした。
しかもオルビスのエッセンスインヘアミルクは2011年の発売から12年も経っており、決して新しい商品というわけではありません。
それが総合大賞に選ばれた背景には3つのポイントがあると考えられます。

■エッセンスインヘアミルクが選ばれた理由とは

オルビスのエッセンスインヘアミルクが総合大賞に選ばれた理由を探っていきましょう。
前述の通り、背景には3つのポイントがあると推察できます。

・酷暑による髪のベタつき対策

近年の暑すぎる夏による暑さ対策が影響していると考えられます。
エッセンスインヘアミルクの特徴であるサラサラとした仕上りは、汗や湿気でベタつく梅雨時期から夏にかけて大きな威力を発揮します。
メイクはその場で直せても髪はどうにもならないこともあり、エッセンスインヘアミルクが重宝されたようです。
アウトバストリートメントカテゴリーでの口コミでは、これまでヘアオイルというワードが多かったものの、ここ数年で急激にヘアミルクが出現するようになったとのこと。
暑さだけでなく高い湿度も伴う日本の夏ではヘアオイルは重すぎるため、ヘアミルクの需要が高まったのだといえるでしょう。

・入手のしやすさとSNS

これまでオルビスの商品は、一部の取扱店舗でしか入手できませんでした。
エッセンスインヘアミルクのようなロングセラー商品であっても入手経路が限られているので、知名度のわりに口コミが少なかったといえます。
実際に「オルビス店舗まで行かないと購入できないので不便」といった口コミも少なくありませんでした。
ところが販路拡大によりドラッグストアなどでも取り扱いがスタート。
するとSNSでバズるなど、瞬く間に話題となりました。
SNSで話題となったことで広い世代で人気が出たことも総合大賞受賞の一因といえます。
エッセンスインヘアミルクの口コミは、40代以上の投稿が目立つそうです。
年齢層にかかわらず人気が出たことが、総合大賞へとつながったといえるでしょう。

・限定デザインを積極的に展開

オルビスのエッセンスインヘアミルクは、定期的に限定デザインを展開しています。
ベースとなるピンクのパッケージはそのままに、女性に人気のキャラクターを模したデザインなのが特徴です。
数量限定なので店舗によっては早々に取り扱いがなくなってしまうことも。
この戦略が功を奏し、リピーターの獲得につながっています。
オルビスのエッセンスインヘアミルクには詰め替え用もあり、お気に入りの限定デザインボトルを長く使える点も魅力の一つといえるでしょう。

■トップ10の顔ぶれをチェック

総合大賞に輝いたオルビスのエッセンスインヘアミルク以外の受賞アイテムもみていきましょう。

◎第2位 コスメデコルテ/リポソーム アドバンスト リペアクリーム
◎第3位 セザンヌ化粧品/超細芯アイブロウ
◎第4位 コスメデコルテ/リポソーム アドバンスト リペアセラム
◎第5位 クレ・ド・ポー ボーテ/ヴォワールコレクチュールn
◎第6位 ランコム/ジェニフィック アドバンスト N
◎第7位 ヒロインメイク/スピーディーマスカラリムーバー
◎第8位 KANEBO/カネボウ スクラビング マッド ウォッシュ
◎第9位 コスメデコルテ/サンシェルター マルチ プロテクション トーンアップCC
◎第10位 ディオール/ディオール アディクト リップ マキシマイザー

デパコスからプチプラまで様々なコスメがランクインした結果となりました。
特に注目なのが、デパコスとして人気の高いコスメデコルテのアイテムが3つも受賞していることです。
「本当にいいものを使いたい」のはもちろん、「納得できるものにお金を出したい」といった堅実さがうかがえるランキングになったといえます。

■史上最多の受賞を誇る「コスメデコルテ」

@cosmeベストコスメアワードには、化粧水やフェイスクリームといったアイテム別のランキングや、新人賞や価格別賞などの様々な部門が存在します。
そんななかで28部門・13商品の受賞を果たしたのが、コスメデコルテです。
デパコスに分類されるコスメデコルテがなぜこんなにも支持されたのでしょうか。

・高級すぎないブランド戦略

コスメデコルテは3,000円以下で購入できるものもあるなど、デパコスでありながら価格帯を広く取っているブランドです。
そうした場合、低価格帯・高価格帯のどちらかの人気が落ち込む傾向が生まれがちですが、コスメデコルテではそのような現象は起きていません。
その証拠に、次の2つの価格別賞にて入賞を果たしています。

◎ミドルプライス部門:2,000円以上6,000円未満
◎ハイプライス部門:6,000円以上

デパコスとしての高級感を持ちつつも「決して手が届かないわけではない」といった適度な存在感は、大人世代と若い世代どちらにも使いやすく、大きく評価されている結果となったのでしょう。
高級すぎないブランドはライン使いがしやすいという点も。
コスメデコルテでは、使ってみて自分に合うと思えたので他のアイテムも試すようになった・・・といったように徐々に使用アイテムが増えるパターンが多いそう。

・広告モデルに大谷翔平選手を起用

コスメの売り上げを左右するのが広告モデルです。
女性が抱く憧れや理想を刺激するような女優やモデルといった有名人を起用して話題づくりを行い、売り上げアップにつなげるのが定石でした。
そんななか2023年のコスメデコルテが、主力アイテムである「リポソーム アドバンスト リペアセラム」の広告モデルに起用したのが野球選手である大谷翔平さんです。
3月に広告がスタートした@cosmeTOKYOでは、起用前に比べると売り上げが約1.4倍もアップしたそう。
口コミでも大谷選手に言及したものが増え、実際に「リポソーム アドバンスト リペアセラム」は@cosmeベストコスメアワード第4位にランクインしています。
ここまでであれば、ただ単に話題性のある有名人だったからといえますが、大谷選手ならではの効果もあったようです。

・男性新客の急増

大谷選手は自身のInstagramにて、コスメデコルテ商品が映り込んだ写真をポストしていました。
それにより起きた変化が男性新客の急増です。
大谷選手を起用したことで主要百貨店における男性新客が前年同期と比べ約4倍、「リポソーム アドバンスト リペアセラム」単品でみると約7.5倍も増加したそう。
口コミでも

◎大谷選手に影響されて夫が購入した
◎旦那と一緒に使っている
◎夫が使ってみたいと言うので購入した

といった男性の利用に関する投稿が増え、これまでになかった変化が起きたことがコスメデコルテ躍進につながったと考えられます。

■@cosmeを運営するのは株式会社アイスタイル

美容系総合ポータルサイトである@cosmeの企画・運営および@cosmeベストコスメアワードを開催しているのが、株式会社アイスタイルです。
1999年に設立され、翌年には1回目となる「@cosmeベストコスメアワード2000」を開催しました。
20年以上続く企画は、口コミといった消費者の本音を引き出しやすいコンテンツを利用することでより正確性のある傾向を把握することができています。
コスメのトレンドを確実に分析・把握できるとあって、@cosmeベストコスメアワード発表の際は美容業界からも注目を集めています。
 

@cosmeベストコスメアワード2023では、デパコスからプチプラまでバリエーションのあるランキングとなりました。
安くて優秀なアイテムはもちろん、高価格帯のアイテムも入賞していることから「本当にいいものにはお金をかけたい」といった消費者心理がうかがえる結果となったようです。
広告モデルとして野球選手である大谷翔平さんを起用したコスメデコルテでは、男性新客の増加も見られるなど、変化の多い年となりました。

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