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ツミデミック【読書日記】

 一穂ミチさんの短編集

 読み終わってから、犯罪小説ってなってるのに気づいてびっくりした。そう言われるとそうか、と納得。最初の3話を読んで、救いがないなと思ったんだった。

 特別縁故者からは、じんわりとしてた。最初はいじけていた恭一が佐竹さんに会って、下心を持って近づいて、なんだかんだでちょっとやる気を取り戻していく。この匙加減がいい。最初は、今すぐ追い出してしまいたいクソダンナだったけど。

 そういう意味では、ロマンスの雄大もね〜。かなりイヤな感じ。こういう男性が出てくると無条件で憎しみを感じてしまう。

 祝福の歌でも最初の印象は同じような。でも、女性はみんな強いなぁ。特に菜花ちゃん。産むと決めていて、その上で助けてほしいって、しっかりしてるなあー。産むって決めてるから、その前段階の産むか産まないかの話をしても噛み合わないって、すごいわ。それに引き換え、ほーりーの情けないこと。
 子どもを産んで育てるって本当に大変で、自分が母でも反対するだろうけど、それでも応援したくなるって思わせるのは本当に素晴らしい。きっと、みんなこのままみんな押し切られるんだろうなと。

 最後に自殺願望の人たちがやっぱり死なない話で終わってて、構成も上手いなあと大満足の1冊でした。

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