暗ガリノ中二美ヲ求メル心。紳士淑女ノ皆サマへ、陰影礼賛ノ新宿「自家焙煎珈琲 凡」
昨日は新宿の「自家焙煎珈琲 凡」で珈琲を味わい、その後はお酒を愉しみに行ったのですが、思いがけず今年最初の東京散歩は陰影礼賛をする日になってしまったのです!
あなおかし、人の世よ…
さぁ、
世界中の電気が消えたなら
猫をさがせ!
猫の眼の光で書物を読むために!
(エレシノア書)
昼日中新宿は東口、北風が魔都を吹きすさぶ。晴天を猫の足で影のように縫って歩き、本日は陰影礼賛の都『自家焙煎珈琲 凡』へ、幻想案内人・海月くらげがお連れします!
陰影礼賛をする心というのがあります…
たとえば防触液を塗った銅板を傷つける行為。腐蝕する行為。深く浅く線描の刻まれた銅板を腐蝕液に浸す。すると銅板の傷口は粟粒のような気泡を発する。腐蝕される苦痛の…あるいは恍惚の…喘ぎのように。
腐っていく。毒が浸透し腐っていく。金属の腐敗する匂いが鼻孔を焼く。腐敗。銅板は激しく傷つきながら喘ぎつつ腐る。
退廃とは何か。フランスの精神病学者の規定によると〈道徳的かつ肉体的な害毒により男女が破滅する過程の医学的総称である〉
なぜかそのようなものに惹かれる心をもってしまった者にとって、入り口の古びた重い木の扉、窓一つない暗い室内、褪せた調度品に囲まれた珈琲 凡の店内は居心地がいい…
私が頼んだのはモカ。まだ珈琲の注がれていないカップは、記念のカップカードを添えて…
この美しいカップたちは1500客にも及ぶそう。
世界唯一の喫茶店として、凡の公式ホームページにはこのようなメッセージがあります。
凡は昔、紀伊国屋をゆっくり見た後にそこで買った本を読みながら珈琲を愉しむひとときをすごさせていただいていたお店です。
今回、訪れたのは実に久しぶり。相変わらず落ち着く店内で、とても美味しい珈琲をゆったりと味わいました。いくつもの行列が騒音と叫び声と栄華に包まれて通り過ぎていく、そんな時代の流れの中で、いつ訪れても黄昏の残光に照らされたような店内にくつろいですごすことができる、そんなお店でした。
また、たまに凡で読書を愉しむ時間を人生に取り入れたいと思います。
自家焙煎珈琲 凡の公式ホームページはこちらです♪
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?