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#1 解説『日本統計学会公式認定 統計検定1級対応 統計学』【問1.1】前編

 #1では、問1.1を解説していこうと思います。よろしくお願いします。


(1)

 問題文にあるのは以下の通りです。
1.$${X = max(U,V)}$$より、$${X}$$は$${U}$$と$${V}$$の最大値
2.$${Y = min(U,V)}$$より、$${Y}$$は$${U}$$と$${V}$$の最小値
3.$${U}$$と$${V}$$は区間$${(0,1)}$$上の一様分布

 つまり、$${X}$$の累積分布関数の意味するところは$${U}$$と$${V}$$の最大値は$${x}$$以下であることです。つまり$${U}$$も$${V}$$も$${x}$$以下であることが必要です。つまり求める$${X}$$の累積分布関数は以下の通りです。

$${G1(x) =x^2}$$

 また$${Y}$$の累積分布関数の意味するところは$${U}$$と$${V}$$の最小値は$${y}$$以下であることです。つまり$${U}$$と$${V}$$が共に$${y}$$以上でなければ良いことになります。
 ここで$${U}$$も$${V}$$も$${0}$$から$${1}$$までの一様分布であることに注意すると、1つの確率変数が$${y}$$以上になる確率は$${(1-y)}$$と表すことができます。つまり2つとも$${y}$$以上になる確率は$${(1-y)^2}$$になることが分かります。今回は$${U}$$と$${V}$$が共に$${y}$$以上でなければ良いので、求める$${Y}$$の累積分布関数は以下の通りです。

$${G2(Y) = 1 - (1 - y)^2 = - y^2 + 2y}$$


左がG1(x)のグラフ、右がG2(y)のグラフ

(2)

 求めるべきものは$${X}$$及び$${Y}$$の確率密度関数です。ただし、(1)でそれぞれの累積分布関数を求めたので、それを基に利用します。

 累積分布関数が分かっている状態で、確率密度関数を求める場合は累積分布関数を微分すれば問題ありません。これは教科書10ページの式(1.2.5)を参照してください。

 つまり(2)の答えは以下の通りです。

$${g1(x) = 2x}$$
$${g2(y) = -2y + 2 = 2(1-y)}$$


左がg1(x)のグラフ、右がg2(y)のグラフ

 今回の記事は以上になります。(3)と(4)は説明が長くなるので、前編・後編に分けました。(3部作になるかもしれません…)

 それでは最後までお読みいただきありがとうございました。コメントの方、お待ちしています。

参考文献
日本統計学会公式認定 統計検定1級対応 統計学(教科書)

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