女神異聞録ペルソナ。ホクロと地続きのこと。

女神異聞録ペルソナ(PSP版)をプレイして、クリアしていました。

ペルソナ25周年で、また11月には真・女神転生Vが出るということもあり、ペルソナシリーズの中で未プレイだった1と2罪罰をやろうと思い立ったのでした。

PQから入ってP5Sまで追いかけていて、ペルソナシリーズの良さは「真面目な過剰さ」だと思っているのですが、もう一つの良さとして、私たちと地続きのキャラクターたち、というのもあると感じています。

P3は死ぬの怖いよねって話だし、P4の花村は親の都合で田舎に越してくる羽目になって内心退屈しているのに、なまじ社交性が高いばかりにそれを表に出せないという地味な仕上がり、P5の一番好きなエピソードは住む場所を失った佑介が主人公の部屋に転がり込んできて一晩鍋パをして、次の日には「やっぱ寮に住むことにするわ」って去っていく本筋と全く関係の無い話です。

女神異聞録ペルソナはまだ真・女神転生の影響を色濃く残してはいますが、ペルソナシリーズの魅力である、どこかにいるかもしれないキャラクターや葛藤、その要素の萌芽はちゃんと感じられました。

途中で敵として立ちはだかる葛西千里は悪魔の力を利用して自分の望むコミュニティを作っているのですが、その代わりに、願いを叶える度に顔にホクロが増えるという代償を支払います。千里は力を行使する度にホクロが増えた自分の顔を見て嘆くのです。

顔にホクロ!願いを叶える代償がホクロ!!平和な生活を送る私たちにも想像できる地味な嫌さです。とてもよかったです。

また今回プレイしたセベク編では、ヒロインの心の良くない部分の集合体がラスボスとして顕現するのですが、その姿にはなかなかインパクトがありました。え、このモンスターをずっと隠してたの?やべーじゃんみたいな。

総合して、今の時代にプレイするにはなかなか厳しいものがあるものの、ペルソナシリーズのオリジンとして興味深く楽しめるゲームでした。高速モード最高!

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以下、つらつらと書いてたら本題に入るまでだらだら長くなってしまったのでまとめて後ろに持ってきた余談です。

しばらく動かしてなかったPSVitaを引っ張り出したところ電源が入らず、どうやら過放電という状態になっており、一晩充電し続けてなんとか復活。しかしすんなり起動せず、なんとか起動させても入っていたデータはほとんど破損していて遊べず、メモリースティックを初期化、PSstoreからペルソナ1と2罪罰を買おうとするもチャージできず問い合わせ、とやっていって、プレイできる状態になったのは思い立ってから5日後のことでした。

私はペルソナシリーズはPQから入り、P4G、P3P、P5という流れでしたので、ターニングポイントとなったらしいP3より前のシリーズをほとんど未プレイでした。P3以降しかやってないというペルソナファンは結構な割合いるのではないかと思います。

実は中学生当時ペルソナ1は少しだけやっていたのですが、バトルのあまりのテンポの悪さのため、序盤で投げてしまっていました。特に強くもない敵の技一つで10秒ぐらいの演出が流れ、それが集団で現れるのでキャラクターではなくプレイヤーの精神に攻撃してくるのです。

その点は移植を担当したスタッフも認識していたようで、PSP版のバトルには高速モードがあります。爆速です。爆速すぎて何が起きているのか分からないことも多々あり、モー・ショボーと戦っていると何故か一瞬でパーティが壊滅状態になるが何をされているのかわからない、みたいなことも頻発します。しかしそれらのデメリットも、圧倒的な爆速の前では些細なこと。レトロゲーをやる際のゲームスピードのアップは正義です。

ペルソナ1のゲームシステムはとても荒削りで、陣形や攻撃範囲の要素は煩雑なだけで、バランスもガッタガタです(属性が30種類ある!)が、爆速のゲームスピードが百難を隠します。バトルからフィールドへの移行もスムーズですし、ダンジョンの移動もダッシュが速い。この爆速仕様が無かったら移植版ですら投げていたかもしれません。

また移植版はバトルの難易度が大幅に下げられ、システムも多少親切になり、少ないと言われていたセーブポイントがめちゃくちゃ増えました。ヤケクソみたいにあるのでセーブポイントだらけです。メギド系(万能ではなく核熱属性)がやたら強く、核熱耐性がある敵以外はメギド系を連発していけば大抵どうにかなります。

グラフィックはほぼ原作準拠ですが、UIはちょっとP3以降のクールな感じのテイストに変わっています。またこれはP3以降と以前どっちのファンにとっても不幸なことだと思いますが、BGMがほぼ全取っ替えされていて、P3以降っぽいカッコいい歌モノBGMが採用されています。P3以降から入った未プレイファンが違和感なく楽しめるようにとの配慮だとは思いますが、グラフィックは古いしゲーム自体のテイストも違うのに、音楽だけP3以降のノリなのでチグハグ感は否めませんでした。


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