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"自分のキャリアとこころの旅"の絵本 #2

🦝「かわりもの」のたぬきくんのおかしなはなし
#2

たぬきくんは「かわりもの」です

たぬきくんは つぎの村にむかいました

つぎの村は たくさんのどうぶつたちがいるおおきな村でした
大きな かわがあって、そのさきには いずみよりも
もっとおおきな いずみがあるとか!
おみせやさんもたくさん!

たぬきくんは 村をあるきながら きょろきょろとみてまわりました

おおきなかわのそばまであるいてきました

たぬきくんは ちいさいときに おとうさんやおかあさんとのったことのある ふねをおもいだしていました

めのまえの ふねにはたくさんの どうぶつたちがのっています
どうぶつたちはこの ふねにのって
もっともっと ずっとずーっと とおい村にむかうのです

「わぁ!!おおきいなぁ!たくさんのってるなぁ!」
たぬきくんはうれしくなりました

「そろそろ ふねはしゅっぱつしまーす!おのりおくれはないように」
ライオンさんがりっぱなたてがみからフエをピピー!とならします

すると、あせをかきながらはしってくるひとがいました。ちいさなアナグマさんです

「の、のりまーす」
はしりつかれたアナグマさんは、ライオンさんのまえでたおれこんでしまいました

ライオンさんは おひげをすこしゆらっとさせてから、アナグマさんをつかんで 
ふねにむかってなげこみました!

アナグマさんは ぽーんとボールのようにふねにはいったではありませんか!
アナグマさんがのりこむとすぐに ふねは おおきなおとをあげて しゅっぱつしていきました

「まったく、てのやける」
にやりとわらって、ふとたぬきくんにきがつきました。
たぬきくんはライオンさんと めがあうとおもわず
「ぼく。ここでおてつだいがしたいです」といっていました

ライオンさんは めをおおきくしてから
「ついておいで」とあるきはじめました

たぬきくんは ふねからすこしはなれた
ライオンさんのこやにいました

「ここで、はたらくのかい? おまえさんにできるかな」
「…でも やってみたい、です」

やっぱりダメなのかな、と けむくじゃらの
じぶんのあしを みつめていました

「あんたはすぐそんなイジワルいうんだから!」
むこうからこえがしました

でてきたのは
ライオンさんそっくりのおくさんでした。
「はい、どうぞ」

そういいながら ミルクをだしてくれました。
「このひとはね、すぐこういうことをいうのよ。ほんとうは うれしいくせにね」

こうして たぬきくんは ふねのおきゃくさんをおくりだす おしごとをすることになりました。
おおきなしっぱいも 小さな うっかりもあったけど めげずに がんばりました

たぬきくんは おきゃくさんの ことばが
いちばんの ごほうびでした

ーたぬきくん のおかげで まにあったよ、ありがとう!
ーたぬきくん がいてくれて よかったよ。むこうのまちに "ハトさんれんらく" してくれて ありがとうね
ーやっぱり たぬきくんがいないとね!

ふね の おきゃくさんは いつも いっぱいの
いろんなことがおこり
まいにちがたのしく すぎていきました
みんなも たぬきくんを たよりにします

ずっとこのままがいいな

でも このまま ずっとずーっと ここにいていいのかな

いたいけど たびにでたい
そんなふうに たぬきくんのこころのなかの
シーソーが ギッコンバッタン していました

たぬきくんは 「かわりもの」です

だって たぬきくんは ずっと
じぶんのもっているものに きづいていなかったから

ても あしも みじかくて
ボサボサのけむくじゃら

シカさんや クジャクさんみたいに
ウットリするようなキレイなものは
なんにももってない

大きなおうちもないし🏠
まほうもない🧙‍♀️

あるとき オオカミさんがいってくれた

ーたぬきくんはね、めがやさしい
 あとね てもやさしい

またあるとき キツツキさんが
はやくち でいってくれた

ーきちんと おはなしをにくところ いいよ
いろいろな どうぶつたちが やってきてくれるじゃないか

また あるときは ハリネズミさんがいってくれた🦔
ーわたしのせなか とげがついてるでしょ
これは とってもきにいってるんだけど
でも もふもふしてるのが うらやましいよ

やさしいどうぶつさんたちは そんなふうにこえをかけてくれました

みんなのほうが たぬきくんをみてくれていました
たぬきくんは じぶんのことを まったく すっかり しらなかったのです

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