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苦境の先に

 どれだけの時間、パソコンのモニターを見つめていたのだろうか。教授以外の顔は非表示で、声も聞こえない。狭い部屋の中で1人過ごす時間は退屈で、不安でならなかったことだけが鮮明に思い出される。 大学1年生  高校野球が終わってからは全ての時間を受験勉強に費やし、やっとの思いで入学した北海道大学。当時の世間はコロナ禍にあり、特に学生は「不要不急の外出」という言葉の対象として、さまざまな制限を受けていた。授業はオンラインで行われ、サークルや部活の活動は休止されるのが当然であった。

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