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緯編の中の横編み

本日は6講目。全12講の講座の折り返し地点になります。
今日からニットを学んでいきます。

今日もnote編集部の渡邊がレポートをお届けします。

講義の冒頭、宮浦さんより『嶋田先生は、産地の学校が大切にしたいストリート的な要素、そしてアカデミックな要素の両方をハイレベルでお持ちで、手編みから手横、自動機、ホールガーメントと一貫してレクチャーいただけるのでとても心強い方です。』と紹介されてました。

(なんと出会ったのは山形の温泉だとか。)

嶋田先生は、文化服装学院を卒業後、ニットの産地である山形県に移住して工場で働き、現在はニットの企画、生産管理をされているそうです。


『嶋田先生はなぜニットの世界へ?』

レポート冒頭ですが、嶋田先生がニットに興味を持ったきっかけのお話がとても印象的だったので最初に書きたいと思います。

嶋田先生は今でこそ大のニット好きですが、
実際にニットを作るまでは強い興味があったわけではなかったそうです。
糸と編み方によって無限に表情や風合いが作れること、加工でも毛羽を出したり抑えたりすることで、どんどん広がるニットの世界がわかって没頭していったそうです。

そしてなんと、嶋田さんはゆくゆくは自分で機械を購入して生産をしたいとも考えています。工場さんに依頼をして作ってもらうだけでなく、自分の手で見える範囲でものづくりをしていきたいという気持ちがあるそうです。

そんな場所ができたら勉強しに行きたいですね・・・!

今では、『なぜみんなニットをやらないのか?』と疑問に思うくらいに、ニットにのめり込んで、その魅力を客観的に伝わるように言語化もしていきたいそうです。「産地の学校」として、嶋田さんとニットに特化した応用講義の開催(企画・生産)も考えているそうなので、とても楽しみです!

ちなみに、5期生でニット講義のレポートを担当された今田さんが
この春からニットの工場で働くことになったそうで、これも嶋田先生のニット熱の影響でしょうか・・・!!!

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日本のニット産地

日本におけるニットの産地として有名なのは新潟、福島、山形。
ニットの生産量はこれまで講義に出ていた産地同様に低下傾向にありますが、繊研新聞の記事によると生産量は減っているものの生産額に関しては増額をしていると書かれています。「ニットの生産単価は高騰傾向にある」と考える事もできます。このあたり、興味深い点だったので、今後note編集部として突っ込んで取材していきたいと思いました。

また、後継者不足はニットの産地でも大きな課題になっていて
中でも特に、ニット特有の工程の「リンキング」という細かな作業がベテランの職人さんの負担となっており、これができる若手職人が少ないことが直面している課題とのことです。

今日も講義のあと嶋田先生にインタビューさせていただきましたが
上記の「産地の課題、または可能性」「デザイナーの職人とのかかわり方」「工場とのお付き合い」、講義で疑問に思ったことなどざっくばらんに質問を投げかかけさせていただきました。


やはりニットの産地においても産地共通の課題があるようです。
しかし日本国内で「COOHEM」や「KNITOLOGY」のような取り組みが活発になれば、産地のファンが増えるし、そういう服を選ぶ人も増えていくし、これからの産地活性のために、工場から商品や情報を発信していくことが重要だと、考えさせられた6講でした。



P.S.
講義を受けて、ホールガーメントについて興味が湧いたので、最近出版された島精機に関する本を一読してみました。ホールガーメントが生まれる経緯が書いていて日本の技術の凄さを実感しましたのでお勧めです。


渡邊

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