銀杏落葉 360-0/21Ⅴ
二十四節気の立冬。日めくりには、「陰気深くこもり冬の気立つという意味で立冬と言う。次第に冷気深くなる。」とある。
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白馬行く銀杏落葉の皇居前
これはきのうの句「白馬行く銀杏散る道皇居前」を直したものである。冬の季語に銀杏落葉とあった。この情景は五年前の十二月のことである。であれば冬だろう。銀杏落葉の方がふさわしい。そんなことばがあったのか。確かにこちらの季語の方があのときの情景を表しているような気がする。「銀杏散る」と「銀杏落葉」は季節をまたぐのであった。微妙である。季語っておもしろいなと思った。
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日めくりのことば
「玉磨かざれば器を成さず」
玉とは古代中国で珍重された鉱石。器とは宝の意味で、玉璧(玉器の一種)や玉环などのこと。玉璧は、画像で見たら、円盤投げの円盤の真ん中に穴があいているような感じのものまたは寛永通宝を大きくしたような感じのものだった。
玉器とは、「礼器の一種。主として古代中国で軟玉を用いてつくられた装飾品をいい,圭,璋,玉柄,璧,玦,璜(こう),瓏,玉札,彫玉,玉蝉,琮(そう)などがある。」(「ブリタニカ国際大百科事典」から)
礼器とは、「中国の殷(いん)・周時代に盛んに鋳造された青銅器のうち、祭祀(さいし)に用いられ、奇怪な饕餮(とうてつ)文や鳳凰(ほうおう)などの文様で装飾された容器と楽器の総称。とくに殷後期以降の青銅器には、銘文が鋳込まれるようになり、銘文からも、祖先を祭祀するのに用いられた神聖な器物であることが知られる。殷・周時代には祖先を祭祀することは、王とその支配下にある諸侯とを政治的に秩序づけることを意味しており、礼器は祭政一致の象徴。」(「日本大百科全書」から)
饕餮とは、「中国神話における邪神四凶の一角。体は牛か羊のようで、人間に似た顔、曲がった角、虎の牙を持ち、爪先はヒヅメではなく人間の爪のようだとされる。性格は卑怯者で、強い者には媚びて平身低頭だが弱者には容赦なく襲いかかり、身ぐるみ剥いだ上で食べてしまうのだという。饕餮の「饕」は財産を貪る、「餮」は食物を貪るを意味するので名前通り。とんでもない大悪党だが、後に「饕餮=魔を喰らう」という考えが生まれ、魔除けの意味を持つようになった。まさかの縁起物デビューである。一説によると、龍の子や邪神蚩尤の頭だとされている。」とある。(「ピクシブ百科事典」から)
調べれば調べるほど初めて聞くことばが出てくる。
环は輪の形をした玉ということである。これも画像を見たらきれいなものだった。玉とは宝石のことを指すのだろうと漠然と思っていたら、専門用語のようなことばだった。この場合は、「ぎょく」と読む。中国では軟玉が採れるということであるから玉器に用いられるのはネフライトの方である。
玉
ジェードjadeともいい、普通は硬玉(ひすい)と軟玉(ネフライト)の2種類をさす。しかし、それらに類似した外観をもつ別種の鉱物からなる飾り石も含まれることがある。地名を冠したものはほとんどこの例で、カリフォルニアジェード(ベスブ石)、メキシコジェード(方解石)、トランスバールジェード(緑色の灰礬(かいばん)ざくろ石)などがある。軟玉は、透閃(とうせん)石あるいは緑閃石の非常に微細な結晶が集まってできている。世界中に産地が多く、価格も低いため、大形の美術工芸品などによく利用される。それに反して硬玉は、ひすい輝石jadeiteの微細な結晶が集まってできており、硬度も軟玉より高く、世界的に産出量が限られている。とくに緑色の美しいものは著しく価格が高く、宝石として扱われる。このようなものは現在ではほとんどみられず、ミャンマー(ビルマ)でのみ産する。白色のひすいに着色を施したものも宝石として市場に出ている。 (「日本大百科全書」から)
ネフライトから、ジェダイト、翡翠、カワセミ、さらには古代ギリシャ、ネフローゼに至るまでの勢いで興味深く、これ以上調べていくとエンドレスになりそうなのでこのくらいにする。
異存・難色の発声(5回でアウト)
「あなたの影響だ。」カウント1。これはまずかったな。今のところセーフ。
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