巨大ロボを乗り回す。「超操縦メカMG」はロボとDSをコクピットでシンクロする。
1.概要
超操縦メカMG。2006年にニンテンドーDSで発売されたゲームだ。どういうゲームかというと、
DSのタッチパネルで操作するロボットアクションゲーム
単純にただそれだけだ。ただ、ありふれたジャンルのゲームもタッチパネルが絡むと話が変わる。ずいぶん古いゲームで今更ではあるが紹介させてほしい。
2.DSでロボを乗り回す快感
このゲームではいろいろなMG——マリオネーションギアと呼ばれる大型の人形を操作するゲームだ。だが人形と言えどその重厚感はおおよそ大型ロボットと言って問題ないだろう。(題名にもロボとついてるし)
ストーリーは割と王道で、ツテで古いMGを貰い受けた主人公が無人で暴走する敵MGと戦うところから始まり、その暴走の親玉のMGとの戦いに挑むというシナリオになっている。
すべてのMGは十字キー、またはABXYボタンで前後左右に移動する。だが共通の操作はここまでで、あとの攻撃部分は全てタッチパネルによって賄う。
例えば
このような剣を持ったMGなら
このようなコックピットで右側のレバーで剣を振って攻撃する。左側の歯車のようなものは上左下右といった方向に剣を回転させバフが得られるようになる。
ところ変わって
このような弓を持ったMGなら
このような直接弓を引くコックピットとなる。画面中央下に見える赤い矢は強化弾で左下のボタンを押すことで装填される。
このゲームではいくつかの工房が各々でMGを作っているという設定で、工房内でおおよその操作が似通っていたりはするが、(後半出てくる強化された同一種は除き)すべてのMGの操作方法は別物である。
この操作の違いがいつも同じコントローラーで様々なロボットを操作する他のゲームと違い、「その機体を乗りこなしている」そういう感覚がたまらない。既存のゲームよりは癖の強い操作が多いからかゲームスピードも比較的控えめだが鈍重なMGがズシンズシン…と歩くので逆に「らしさ」が出てくる。
爽快感があるわけではない。下画面の操作をすると機体が発熱しオーバーヒートする関係で好き放題に攻撃できない。回数制限のある技の威力と使用回数に比べて敵が多すぎて扱いずらい。問題はそれなりにある。でもそれ以上にこのコックピットが楽しくて仕方がない。古いゲームのため中古しかないがそれでもアマゾンで送料込み2000円ほど出せば買えるはずなので(2020年2月現在)興味があればぜひ買ってみてほしい。
説明が遅れた。開発はSANDLOT。D3パブリッシャー販売のもとで地球防衛軍シリーズを開発している会社だ。このMGより前、防衛軍を除く製品ラインナップは以下のとおりである。
ギガンテックドライブ(鈍重なロボで戦うゲーム)
鉄人28号(鈍重なロボで戦うゲーム)
そろそろ新作まだですか?防衛軍の巨大ロボで我慢しろ?そう…
3.推しMGについて語る。
説明は以上だ。ここからは個人的に好きなMG一体の紹介をさせてほしい。
超操縦メカMGでは工房がMGを作成しており、工房には工房なりのこだわりがある(先ほどのMGの見た目を軽く紹介したが、左上に書かれているのが作成した工房名)。その中でも突出して色物路線を突き進んでいるのが「円」工房だ。
ゲーム内ではMGはそこそこ長期間生産されているもので、何度かの技術革新も行われ現在はモーターやエンジン等を搭載しているらしいのだが、この円工房は話が違う。古きよきものを現在まで残すという理念でバネやゼンマイなどを動力としたMGを作成している。
その中でも個人的にお気に入りが蒸気人形ドーヴァーだ。
黒を基調に、赤色と金色をアクセントに置いた見た目は他のMGと比べ落ち着いたカッコよさがとても目立つ。しかも蒸気機関車から人型になるとトンファーを振り回し、煙突からミサイルを発射しながら敵に向かって攻撃する。(トンファーと機関車の関連性とか気にしてはいけない)
さらに極まっているのがコックピット側で、その操縦は蒸気の名の通り、
化石を使った蒸気で戦う。
画面左側、赤いレバーでふたを開き、その下に大量に積まれている石炭を放り込む。右側二種のバルブをいじればトンファーとミサイルの発射は自動で行われる。
バルブを開けば開くほど攻撃間隔は短くなるが、その分蒸気を使うのでそのうちガス欠を起こす。では蒸気の出力を上げるためと石炭をくべすぎるとMGがオーバーヒートを起こしガス欠以上の戦力の低下を引き起こす。
よって
「上画面で巨大ロボ同士が相対する中、プレイヤーは下画面で必死に石炭とバルブの制御を行う」
という謎の図式が出来上がる。他のMGが(オーバーヒートだけは考慮する必要があるが)マシンの燃料がどうこうなんてものを気にせず戦う中、延々と燃料と格闘するこのMGはゲーム自体が特殊な中さらに特殊な操作感覚がある。もし先ほどまでの説明でゲームを買った方がいるのであればぜひ触ってみてほしい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?