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【日本の心、重要文化財「今西家書院」を拝観する】

「今西家書院」は興福寺大乗院家の坊官を務められた、「福智院」氏の居宅を、大正13年、今西家が譲り受けられたそうです。
現在、福智院氏はこの地を離れ、「福智院」という町名だけが残りました。

今西家は明治17年(1884年)より酒造業「今西清兵衛商店」を始め、奈良酒の代表格として「春鹿」の銘柄名で知られており、当店でも二銘柄の扱いがございます。

蔵元には何度もお伺いし、以前、蔵内もご案内いただいたこともございましたが。
隣接している「今西家書院」を訪ねるのは初めてでした。

「今西家書院」は昭和12年に国宝保存法により、京都の二条陣屋、大阪の吉村邸とともに、民間所有の建造物として初めて、国宝の指定を受けました。
が、その後、昭和25年、重要文化財となりました。
江戸初期から数度の修理を経て、昭和53(1978年)、16か月を掛けて解体修理工事を行い、今に至っているそうです。

日本古来からの伝統的工法の「唐破風(からはふ)」「檜皮葺(ひわだぶき)」。
一般客の入場は奥の入り口からですが、皇室ですとか高貴な方の入り口はこちらからになるそうです。

正面、謁見・会議室として利用された書院(上段の間)は板張りから今は畳の間になり、中塗り壁に和紙を重ねて夏は涼しく冬は暖かく、また敷居一つに障子が二枚嵌っている「子持ち(猫間)」障子など、
見どころがあちらこちらにあります。

茶室は躙り口(にじりぐち)はなく、庭から立ったまま、入ることができます。
杉の網代(あじろ)編みの天井には、龍の絵が描かれており、たいへん珍しい造りの茶室です。
(龍の絵が描かれた天井が撮影できていませんでした)

南側の庭に面した部屋の天井は太い杉の枌板(へぎいた)の網代編みであったり。
囲炉裏のあった間の天井は煤竹を張っていたり(今はいずれもカフェとして利用されています)。

↓↓↓↓↓下段の間は、お供の者の控室で、上段の間より床も天井も低くなっており、部屋も狭くなっています。

↓↓↓↓↓船底天井の式台付き玄関。

他にもいろいろと見どころがあり、係の人が詳しく丁寧に案内してくださるのですが。
造詣が深くないと、ふーん、で終わってしまうのが残念なところ。
(今、パンフレットを観ながら、写真を確認しつつこれを書いています)

私も含めて海外でお仕事される方は特に、日本の歴史と伝統、文化について一時帰国時には触れてみて欲しいなと思います。
自国の文化について知らない、語れない、誇れない人は、よその国の人からは軽んじられます。。。

拝観料は400円。
カフェでは、お抹茶、季節の和菓子、酒かすを使ったデザートなど楽しめます。

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