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洗剤の矛盾と不条理

平成の時代、近所の奥さまに誘われて
洗剤の「ホームパーティー」ちゅうモンに行ったことがあった。
確か、イギリスのメーカーだったはず。
その洗剤が日本の物と比べてどうすぐれているかを
販売員が説明してから・汚れ落としの実演をして・販売する、という流れ。
説明しているときに
「ちょっと、洗剤の箱を見てもいいですか?」と
箱を借りて成分を見てみると
当時日本で規制されていた「リン」が含まれている!
「イギリスでは、リンは規制されていないんですか?」
「琵琶湖などの富栄養化で問題になっていますよね」
と訊ねると、販売員はちょっとあいまいに「あー、そうですね」
ここで自分の中では「うさんくささ」が基準値を超えた。
色々実演してくれたが
「生のキュウリには農薬が付いているんですよ」と
場所を提供した奥さんに普段通りにキュウリを洗ってもらった上で
(ナイロンタワシで水洗いしていた)
自分の手のひらに件の洗剤を付けてキュウリを握って
握った手から滴り落ちてくる白く濁った液体を
「ほら、白く濁った液体が出てきましたね、これが農薬です!」
奥様方は「ほーっ!」
自分(手の脂じゃねえか)
また
「布に靴墨を付けて洗浄力を比べます」と
高さ10センチほどの小さな二つの容器に水を入れ
自分の持ってきた洗剤は「耳かき1杯で落ちるんですよ」と耳かき1杯分入れて
一般の洗剤は「これくらい入れましょう」とスプーンに1杯どばっとw
そこに靴墨で汚した小さな布を入れて振ったのだが
そもそも洗濯に適した洗剤濃度で揃えていないし
どばっと入れた方はすぐに容器が泡で一杯になって
振っても布が動かないから「漬け置き洗い」の状態。
自分の持ってきた洗剤は泡が余り立たないので布は容器の中で振り洗い状態。
「ほらほらほら、こちらの方がきれいになってますよー♪」
(おいおいおい!これで汚れ落ちを比べるのはフェアじゃない!)
他にも突っ込みどころ満載の実演で呆れ果ててしまっていたのだが
実演後、注文用紙が配られて
ナント!自分以外の奥様方が
全員その洗剤を注文していたことに打ちのめされてしまった。

ナンでわかんないの?
ホントにわかんないの?
それともアレか
説明の論理性よりも近所付き合いが大事なのか?
大人って、大人って、そういうモノなの!?
わたしにはわからないわっ!(泣)

それからウン十年
普通の大人ってそういうモンだと身に染みて
それならどうすればいいのかを考えるようになったのであります。

その一方で
以前、テレビを見ていて不思議なことに気付いたことがあった。

台所用洗剤のコマーシャルで
どれだけ軽く簡単に油汚れが落ちるかを見せて
とてもきれいになったのを画面の中の人が驚いて見る。
…不思議だなあ。
だって、私が子どものころから・まだテレビが白黒だったころから
洗剤のコマーシャルは油汚れがすっきり落ちると言い続けてきたのに。
バターケースでもスパゲティーを食べた皿でも
しつこい油汚れが今までよりこんなに落ちますと
(当社比)なんて小さく書いちゃって。
今までよりよく落ちるっていうけど
今までの洗剤でもすっきり汚れが落ちていたのに
どうやってそれ以上キレイにするんだろう。

これじゃあ
実は汚れは落ちていなかったことにならないかなー。

衣類の洗剤だってむかしむかしから
真っ白に洗いあがりますと言い続けてきたよね。

こんなに汚れが落ちるなら
もう、お皿もシャツも消えるくらいにキレイになるのじゃないの?

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