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4月・開く・笑う

言語

「山笑う」は春の季語だ。
これは山がわっはっはと笑っているのではなくて
花や葉のつぼみが「開く」ことを表したものだ。
山の色が次第に明るく変わっていく様は本当に「笑う」だと思う。
待ちかねていた春が来たのだ。
さてそこで
いつもの携帯漢和中辞典で「笑」を引いてみると
「笑」の古字は「咲」なのだと。

 サく。花が開く。笑の古字。
となっている一方

 咲は古字、とあり
 こちらはワラうの他に「花のつぼみが開く」「実が熟して割れる」
という意味がある。
ちなみに
中国のお菓子に「開口笑」という丸い小さな揚げ菓子があって
このお菓子はタネが固めなので、揚げるとふくらんで表面が割れて
それがまるで笑っているように見えるから「開口笑」というのだと。
たくさんのタネを小さく丸めるのでちょと面倒だけど、おいしいですよ。
あ、もうひとつ
スペイン語で4月はabril なのだけど
開く、というのがabrir で、ちょと似ている。
スペイン人の友人に聞いたら
4月は大地が開いて草花が出てくるからだよ、と。
ああ、ここでも春は「開く」のだなあ。

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