見出し画像

英語と着物と

勉強
言語
実用

昔々、東京は青山の高級らしい雑貨店をのぞきに入ってみたら
そこはどうやら外国人向けの日本のお土産を扱うところで
やたらと派手な塗のお椀やら金ぴかの甲冑やら果ては屏風まで並んでいた。
ははあ、外国人が求めるニホンとはこういうものかと眺めていたら
5歳くらいの白人の子どもが二人、階段の上と下で大きな声を出した。

ねえ、上がっておいでよ!
いまいくからー!

ということを英語でしゃべっていた。(その英語そのものは忘れた!)
とにかくそう言っていたことはわかった。

そうか、かの国では子どもでも英語を使えるのか!
そりゃそうだ、当たり前か。
英語と言うのは特別なモノではなく
英語を使う国では普段使いの「道具」である、と。
そのころは「まなじりをけっして」英語を勉強していたのだが
ちょっと、肩の力が抜けた。
英語って、言葉なんだよな。
そういえば
上野彦馬が撮影した幕末の写真を見たときに
着物をとてもゆるく着ていた様子に驚いた。
着物も帯もほどけて落ちそうなくらいに「ゆるゆる」で
時代劇で見るようなきっちりとした着付けではない。
そりゃそうだ、普段着物を着て動き回って暮らしてたんだから。
絶対に教本通りに着付けなくてはならない!!
絶対に着崩れてはならない!!
とは思わなくなった。
今どきの着物は多くがイベント用の衣装となっているが
昔は武家の奥方も長屋のおかみさんも着物を着て暮らしていたのだ。
現に、上手な着付けができる人にやってもらうと何時間でも楽なのだ。
着物って、着るものなんだよな。

国や時代が変わると普段のことが特別になってしまうのですな。
これはそこでの・当時の普通だと思えば
ちょびっと気楽になりますな。
画像は支倉常長の銅像。
2年間海外でスペイン語とラテン語に囲まれてさぞかし苦労しただろう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?