見出し画像

子どもの将棋遊び

子育ての風景

子どものころ将棋の駒でよく遊んだ。
将棋じゃなくて、「将棋の駒」で。(笑)
その一つが「回り将棋」。
回り将棋は将棋盤と将棋の駒を使った「すごろく」である。
将棋盤の上で「金」4枚をサイコロのように使って
他の駒を文字通り「コマ」にして進める。
「コマ」は「歩」から始めて順に「香車」「桂馬」と進んで
「王将」になって一周して「あがり」だが
最後は通り過ぎればいいだの
ぴったり止まるまで駄目だの
ここら辺は適宜話し合いで決めていた。

盤の上に投げた「金」の状態で進める数が決まる。
4枚全部表だと10、全部裏だと20、立ったら10
横向きに立ったら5、なのだが
一度だけ上の斜めのところで逆さまに立ったことがあって
そのときは100になったのに
これをやったことがあると他の人に言っても信じてもらえなかった。
で、コマが重なったら「べった」と言って、後戻りしなくてはならない。
盤の外まで転がってしまったら「ノーカウント」で、進めない。

さて、そういう数え方なので
コマを何とか立たせようといろいろ投げ方を工夫した。
あまりにそっと置いたりしたら「ずるいべ!」と非難されるし
場外までこぼれてしまっては進めないので
適当な勢いでしかも高い点数が出るようにするのは
なかなか難しかった。

そして、考えてみると
結構足し算の練習にもなっていた。
1枚が立って、1枚が横向きで、1枚が表向きで、1枚が裏だったら
10たす5たす1で、16だ。

算数の勉強になります♪
という浅はかなことは言いません!(笑)

コマを投げる方向や力加減が難しい分面白かったし
なにより、みんなとわいわい遊んだのが楽しかった。
ルールは「どうすれば面白いか」を勘案して話し合って決めたし
まだうまく出来ない子には、場外でもいいことにしたりして
こどもなりに「ハンデ」も付けていた。

今にして思えば
あれは、なかなかなマネジメントだった。

回り将棋ときたら、次は「くずし将棋」♪

これも将棋の駒でやった遊びで
将棋盤やちゃぶ台の上にごちゃりと積み上げた将棋の駒を
指一本だけで
音を立てずに自分の「陣地」まで引っ張っていく。
音を立ててしまったら、相手の番になる。
たくさん取ったほうが勝ちなので音を立てずに続けて取るのがコツだ。

他の駒に寄りかかっているものを
指でそおっと
起こして立てる。
立てたときに音が鳴らないように静かに静かに…
立ててから、陣地まで指で押して滑らせていく。

今はもう、指がかさかさに乾いているので
すべってしまって絶対に立てられない自信がある!

これは、回り将棋とは逆に
音を立てないよう
台を揺らさないよう
山を崩さないように
息を詰めた緊張感と
無事取れてほっとしたときのギャップが気持ちよかった。

音が鳴った、鳴らないで、もめたこともあったっけ。(遠い目)

集中するので続けてはできなかったなあ。

こういうはらはらする遊びには色々な駆け引きがあって
一緒に遊んだ♪という満足感があった。

思えばこれらは小さな空間でも自分のすべてを使う遊びだったのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?