狭き家
転勤で引っ越しを繰り返したが
ずうーっと、広くない・新しくない住宅に住んでいたので
どうやって便利に使えるようにすればいいのか
少しでも広く使える工夫はないかと考え続け・情報をあさり続けた。
「足りぬ足りぬは工夫が足りぬ」と言うではないか!
頑張らなくっちゃ!!と
ある時は
買い物帰りに歩道の脇に出ていた雑誌の見出しに
「二間しかないマンションで広く暮らす」
だったかな?そういうのを見かけて
荷物をぶら下げてヘトヘトで時間も無くて立ち読みもできなくて
そのまま手に取って買ったのだけど
「二間しかない」ってアナタ、20畳と14畳とかだったのハナシで
全部で20畳無いウチにはカンケーねーじゃん詐欺かコノヤロー!
と、振り上げたこぶしで悔やむのは払ってしまった数百円。
時間と体力の無さはすべてにわたって損ですな。
またある時は
戦後の家庭生活を改良する活動で有名な方の「整理術」を読み
結局のところ
生活を「編集」できるくらいの家の広さがある人なのだと気が付いて
これはそのまま取り入れられるハナシじゃないな、と。
片付けるには作業空間が必須なのである。
いや、それでも基本的な考えはずいぶん参考にできた。
ありがとう町田貞子さん。
そしてある時図書館で見つけて読んだ本に
第2次世界大戦後の焼け野原になったドイツの都市で
絶対的な住宅不足の中で建てられたアパートの間取りがあった。
たくさんの人に住宅が必要だったので広い場所は取れないが
生活するために最低限の必要なモノを最低限のスペースにまとめる
という、なるほどドイツらしい合理性で
惹かれたのはその家事スペースだった。
調理:シンク、ガス代、調理台
衣服:洗濯機、アイロン、ミシン
事務:家庭事務用の机
このように、家事に関するものがまとめて配置されていて
まさに家事コーナーになっていたのだ。
それに引き換え
ウチは小さなまな板を置いたらそれだけで一杯の調理台だったので
料理をするときにはボウルや皿を脇の洗濯機のフタの上に並べていたし
アイロンかけは狭い床に窮屈にアイロン台を出さねばならず
家計簿や書類を記入するのは食堂テーブルだった。
要するに
自分が住んでいる家には最低限の家事用スペースは無いワケだ
と、とどめをさされてしまったのである。
今またあの本を見たいのだが、何と言う本だったか思い出せないし
図書館で検索してみるも探し出せないでいるのがまことに残念。
さてそこで
自分が住んできた・住んでいる家は絶対的に狭いのだと
理解し納得したうえで、どうするかを考え
どこに・何に困っているかをはっきりさせて
将来家を持つとしたらどのような家がいいのかを考え続けた。
そして・現在のわが家に至るのである。
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