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松の花粉から

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降り出した大粒の雨に
何年か前の休憩時間を思い出した。

休憩室で休んでいると大粒の雨が落ちてきた。
「あの木から煙が出てる!」
「え?」と指差す方を見ると松の枝のあちこちから
白い煙が「ぽっ、ぽっ、」と小さく立ち上がっている。
松の花が大きな雨粒で叩かれて花粉が飛び散っていたのだ。
松といえば実の「マツボックリ」を思い浮かべるが
地味ではあっても、もちろん花だって咲くのだ。
そういえば、物理の実験でリポコジュームを使ったっけ。
先生は松の花粉だって言ってたな。
ガラス棒の振動の実験やったなあ…波長は何センチとか測って。
この白い煙がそうなのか…。

というワケで
大粒の雨で思い出して、ちょっと調べてみると(まったく便利な時代だ)
リポコジュームは「石松子」と言って
「ヒカゲノカズラ」の花粉だと。
なぬ?先生、違うでしょ?「石松子」だから松の花粉だと思った?
物理の先生だから勘違いしてた?

「ヒカゲノカズラ」は身近なところでは
お寿司屋さんのネタを入れておくケースの中にあるとかで
そういえば鮮やかな杉の若葉のようなものがケースの手前にあった気が…。
いやこの名前、他にも覚えが…
ありました!天岩戸を開けようとアメノウズメが裸踊りをしたときに
ヒカゲノカズラをたすき掛けにしていた!

万葉集や源氏物語でも神事の時に髪に飾ったりしていたとなっているが
ヒカゲノカズラは切り取っても鮮やかな緑を保つので
おそらくは生命力の象徴として、だろう。
天岩戸の神話は日食を表しているといわれるが
それで太陽(天照大神)の再生のために
アメノウズメはヒカゲノカズラを身にまとったのか。
そういえば卑弥呼が死んだとされる頃に日食が2年続いて起きたはず。
1年目は3月で太陽が大きく欠けていきつつの日没で
翌年の9月には大きく欠けた状態で日の出、それから回復。
どちらの日食も非常に劇的!
これらの日食と卑弥呼の死が天岩戸の神話になったという説も。

雨から始まる午後の妄想はとめどもなく拡がるのだった。。。

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