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始末してやったぜ

長年食器棚に置き続けていた湯呑があった。
それなりにいいもので
時に、ちょっとしたお客様にはこれでお茶を出していた。
それだけども
この湯呑の思い出の中には嫌なこともあって。
PTAのバザーで出された品物で
そこそこいいものだったので買ったのだが
後にその出した人がわかって、後々その人と嫌なことがあって
食器棚を見るたびに「品物はいいんだけどなー」とうじうじして何十年。
そうだ、近所の中古品店に売ればいいのか、と思いついた。
未練は全く無い。
キレイに洗って・割れないように梱包して・手提げ袋に入れたのだが
夜、いつものように寝が浅い中頭の中を巡ったのは
この湯飲み茶わん、中古品店に売ったら
誰かが買うワケで
もしかして、もしかしたら、どこかで自分の目の前に現れるかもしれない
まるで、逃げても逃げても化け物に引き寄せられる怪談のように
そう気が付いた時
自分の手でコイツの息の根を止めなくては
と思ったのでござる。

それで先日ついにゴミに出した。
ゴミ収集車のエンジン音が聞こえて
パッカー車がゴミを巻き込んでいく音が聞こえて
あの湯飲み茶わんが砕けていくのが目の前に見える気がして
ふと背中の重みがなくなるのを感じたのである。
そうか、こんなに重かったのか。

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