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映画 『My New York Diary』 原題: My Salinger Year

サリンジャーが亡くなったのは2010年ということで、割と最近だったんですね。映画は90年代のニューヨークが舞台との事です。

でも、服装といい、街や部屋の雰囲気といい、かなりレトロな空気感で、90年代に若者だった自分には、ほぼ70年代ぐらいの時代感がありました(年をとるとこういう感じはありがちなのかもしれなくて、朝ドラのカムカムエブリバディの後半も非常にズレてる気がしてなりませんでした)。

サリンジャーの印象は、「ライ麦畑でつかまえて」で止まった人と、「ナインストーリーズ」や「フラニーとズーイー」とかまでハマった人とで違っているのでしょうけど、こじらせ感だけは共通するのではないかと勝手に思うのですが。

映画はこじらせ要素よりも、自分に素直に生きることが肯定的に描かれていて、気難しい地雷のように思わされていたサリンジャーさえ、温かくピュアな人でした。

会社の人も皆んな良い人で、出版関係ってもっとドロドロしてそうなイメージがあったんですが、意外と、安心して見て大丈夫です。

ネタバレNGの人は以下、読まないようにお願いします。

ずっとリアリズムで描かれている映画で、途中、急に幻想のようなシーンがあり、踊り出してビックリするんですけど、何事もなく、元のストーリーに戻るため、あれは何だったのか、考えていました。

主人公のダンスの相手は、今の同棲相手ではなく、置いてきた元カレです。

結局、同棲相手と別れるものの、まだ未練のある元カレに戻りもしないのに、何故?

元カレとはきっと心の深いところでつながり、会話ができる関係ができていたのかな。今の彼とは、そこまで向き合っていなかった。心のつながりを持てる相手ではなかった。そう気が付いた。

そう思うと、なんだかすっきり、腑に落ちた気がして、さらにこの映画を観て良い時間を過ごせたな、と思えた夜でした!

写真は大阪市北区梅田ビル群です。

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