精油百花 #41ベンゾイン(安息香)
◆ベンゾインの基本プロファイル
【学名】Styrax benzoin
【科名】エゴノギ科
【精油抽出部位】樹脂
【芳香】甘く濃厚でバルサム調、バニラの香りに似た
【ノート】ベース
【性質】温・燥
【五行】土
【原産地】インドネシア、タイ
【抽出方法】溶剤抽出法
【化学組成】安息香酸ベンジル、安息香酸メチル、バニリン、桂皮酸、
桂皮アルデヒドなど
【作用】強心、去痰、駆風、収斂、消毒、鎮静、抗カタル、抗感染、瘢痕形成、癒傷
【安全性】集中力を必要とする時は使用を控える(眠気を誘う効果のため)
高さ20mに成長する熱帯の高木「アンソクコウノキ」から採取される。
植林後7年を経ると、刻み目から分泌される樹液を採取することが出来る。
この分泌された樹液が空気に触れると固まり、収穫された樹脂をアルコールなどの溶剤で処理され、より粘度の低いレジノイドになる。
未精製の固形物は湯煎して溶かして使用できる。
香水の保留剤として頻繁に使われる。
《東洋医学的視点》
中国の医師は寒湿証と診断する呼吸器系と泌尿器系にこれを処方していた。
脾陽虚(脾胃に冷えがある状態)に最も役立つ精油のひとつである。
無気力や手足の冷え、食欲不振、腹部膨満に効果的。
寒湿の泌尿器系の感染症にも適応する➡抗感染作用
また、寒証の気管支炎や喘息にも良い作用がある。
脾陽虚から生じる考えすぎや心配性に良い➡特に過労が不安や心配を増す時に適する。
◆サトルアロマセラピー
落ち着き、愛、慈愛と知恵の道を歩むためのサポートを与えてくれる。
過去と現在の心の傷に気づかせ、その傷を癒し、手放すプロセスを始める手助けをしてくれる。
怒りを感じていて、癒しや瞑想などの精神的な活動が出来ない時に非常に役立つ精油である。
霊的な保護を与え、心を安定させる。
決めなければいけない時の決断を助けると言われる。
ベンゾインはベースチャクラを強力に活性化させる力を持つ。
体力やエネルギーをつけたい時にお勧めの精油。
◆ブレンディング
スウィートオレンジ、コリアンダー、サイプレス、サンダルウッド、ジュニパー、フランキンセンス、ジュニパー、ベルガモット、ラベンダー、レモン
◆特記
ひびが切れたような乾燥した皮膚に非常に良い。
あかぎれには特に効果があるとされる。
口内潰瘍を好転させる力のある精油である。
カルダモン・ジンジャー・シダーウッドとのブレンドは「脾陽虚」に良い。
心理面においては「鎮静作用」の精油として名高い。