映画「エゴイスト」を見た
去年、この映画のことを知ってすぐにムビチケを買って、楽しみにしてた「エゴイスト」を見てきた。
「エゴイスト」は誰だ、という話だ。
主人公の浩輔なのだろう。母を早くに亡くし、お金で龍太を龍太の母を支えることしかできない。ごめんなさいと謝ってばかりだ。そして、本当の心は誰にも見せてないのでは?必死に眉毛を整える姿、1人歌う姿…それを隠すためのブランド服。
でもそれってほんとにエゴなのかな?
愛ではないの?
龍太の母との静かな時間は浩輔の心を癒しているのではないだろうか。
龍太。宮沢氷魚くん。爽やかでキラキラしてた。でもそれが後になって彼がいなくなってから堪える。
夜の仕事をしていれば、浩輔と出会わなければ彼は死ななかったのか。多分一生浩輔が背負ってしまった罪。
でも貼り付けたような笑顔で知らない男を相手にする暮らしよりは…と思ってしまうのは観客だから?
同じ母親なので阿川佐和子さん演じる母に対して思うことあれこれ。病気だからとはいえ、子どもに学校を辞めさせて、人に言えない仕事させて、それでいいの?って思っちゃう。それは私が丈夫で定職があるから言えるエゴなのか?生活保護とか貰えばいいんじゃないの?ってずっと思ってた。
でも、きっと見せないけどお母さんもずっと苦しんできたんだろうね。
挙句息子が先にいなくなり…彼女も多くは語らないけど心の中に何かを背負ってしまっていたんだろうね。
見終わってすぐに本屋に立ち寄り、原作を購入した。紙の本を買うのは久しぶり。帰ってちょこちょこ読み進めて読み終わってしまった。
余白、と感じていたところが埋められ、映画は全部を語りきれないけれど、十分に余白を語っていたことがわかった。
見るのがこわいけど、また見たい。
私の母も幼くして両親を亡くした人だった。親に対してはずっと私の求めていることを何もしてくれない、と思ってきたけど、映画を見た後は浩輔と自分の母のことを考えていた。
愛ってエゴなのかもしれない。
でも、やっぱり誰かを愛したいし愛されたい。
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