見出し画像

17、2023年12月12日(火)新江ノ島水族館

★★★
入館料:2,200円(福利厚生料金)
・併設されているあわたんカフェ(館外)で食事をするなら、出口で再入館のチケットを貰えて、出口からまた入れる。カフェ利用せずに再入館したい時にどうするのかは、不明。
・世界初のシラス常設展示があり、写真では撮れないレベルの小さいシラスの赤ちゃんが見れる。


・不幸体質が持つ危機回避能力

今年最後の水族館、新江ノ島水族館に行ってきました!
ここに至るまでも紆余曲折があり……そもそも何故この水族館に行ってきたのかというと、事前にチケットを買っていたからなんです。
会社の福利厚生(リロクラブ)で、新江ノ島水族館のチケットがポイント50倍還元されるというキャンペーンをやっていまして。
当初の予定では9月にしながわ水族館に行くつもりだったので、10、11、12月とまだ時間があるから、その間に行けるだろうと考えてチケットを買いました。
が、9月は台風直撃で行けず、しながわ水族館行きは10月に延期。
じゃあ新江ノ島水族館は11月に行こうと思っていたら、しながわ水族館の悲劇再来。
11月も遠足シーズンらしく、公式サイトに混雑具合が載っていて、私が有休取れる日は超混雑の日だったんですorz
じゃあ12月に行くよ、と思ったら、なんと12月からはイルカショースタジアムが改修工事のために閉まっている!
11月の超混雑を取ってイルカショーを見るか、イルカショーを諦めて12月の空いてる時に行くか。(※チケットの有効期限が改修工事終了前に切れてしまうので来年も無理)
しながわ水族館の発狂寸前の混雑具合を経験した私としては、さほど迷うこともなく12月を選んだのでした。

で、安定の雨女力を発揮し、当日は雨。
道中は電車の遅延に2回も巻き込まれ、最悪のコンディションと言わざるを得ない状況だったのですが、実は私、勘違いをしていまして。
元々11月に行くつもりで予定を立てていたので、水族館の開園時間は9時だと思っていたのですが、12月からは10時オープンになっていたんですね。
ということで、ちゃんと開館前に到着することができて、無事に入れたのでした。

クリスマスということで出迎えてくれる、サンタエビ(シロボシアカモエビ)さん

・大好物ばかりな水族の皆様

上記のとおり、今回は新江ノ島水族館の目玉(多分)であるイルカショーがいっさい無かったわけですが、結論を先に言ってしまうと無くて良かったです。
もうね、見るものが多すぎて時間が足りない!
全体的に私の好みの生き物ばかりが展示されているんです、ここ!
今回のMVP候補が、何匹もいる!!
ということで、以下は私が気に入った水族の皆様です。

左がタメトモハゼ、右がチチブ(多分)、これすなわち愛すべきハゼの皆様
タツノオトシゴを避けるように泳ぐヨウジウオ
上段がフウセンウオで下段がコンペイトウの赤ちゃんだけど……違いが分からない
宮島水族館のおかげで、このイイダコがオスであることが私には分かる!
スマホの壁紙になりそうな綺麗な写真が撮れた!と思ったら非常口の矢印が入っていたパシフィックシーネットルの皆様
微笑みの貴公子・パービャウ様(左上)と、ダンディーなおじ様ことトライアングルロリカリア氏(右下)

特に気に入ったのが、「皇室ご一家の生物学ご研究」のコーナーなのですが。
正直に言うと、皇室とか私にとってはスポーツ並みに興味ないトピックスなのですが、ハゼの研究をされている上皇陛下と、ナマズの研究をされている秋篠宮皇嗣殿下には、激しくシンパシーを感じました。

あと、写真は撮ってこなかったのですが、「さかなのもぐもぐプール」で体験できる、ウグイ(だったと思う)のエサやりが凄くて。
もちろん普通にエサ(小型金魚のエサみたいな粒)を投げ入れても良いのですが、自分の手の上に餌を乗せて、水の中に手を入れても良いんです!
この時の魚の食いつきが本当に凄くて……たまにDr.フィッシュに食われて「痛っ」とか言ってる人を見かけますが、そういうのはウグイに食われてから言って欲しいですね。(Dr.フィッシュがどれだけソフトタッチであることか)
魚の数が多いせいか、なんとなく水の中が暗くて手を入れるのを躊躇するような恐怖を感じますが、200円の価値はあると思います。

・「トリーター」という名の意味

新江ノ島水族館に行ったことがない人でも、公式サイトを見れば分かると思いますが、この水族館では飼育員さんのことを「えのすいトリーター」と呼んでいます。
これ、ぶっちゃけ「え、別に飼育員さんとかスタッフさんで良くない?」と思いませんでした?
わざわざ名前を付ける意味とは? と……。
そんなことを思っていた過去の自分を、殴り飛ばしてやりたいです。
私、新江ノ島水族館の水族たちももちろん大いに気に入りましたが、それと同じくらいにトリーターさんたちにも感銘を受けました。
飼育員(トリーター)さんはもちろん、カフェの店員さんに至るまで、とにかく笑顔が素敵で親切な人が多いんです!
特に「なぎさの体験学習館(水族館に入らなくても無料で利用できる施設)」で寄生生物について熱く語ってくれたお姉さんには、私の水族館巡り初の人間MVPを贈りたい。(いらん)
お姉さんから教わった知識を、ここに書き残しておきます。

・小さい魚はエサを食べすぎるとお腹を壊すから、エサは少しずつ分けてあげる。
・ミナミハコフグは驚くと体から毒を出すので、他の魚と一緒の水槽に入れられない。
・ミナミハコフグ同士を同じ水槽に入れたらどうなるかは分からないけれど、自分の毒で具合が悪くなることもあるので危険かもしれない。
・毒のあるナマコというのもいて、それを切って海に投げ入れると毒にやられて浮いてくる魚を捕まえる、という漁をしている国もある。

ミナミハコフグの説明、よそのご家族と一緒に。

・体にコブのようなものがあるアカヒトデには、アカヒトデヤドリニナという貝が寄生している。
・アカヒトデのみに寄生する貝で、貝自体はクリーム色だけど、中が透けて赤い色が見えるのがとてもきれい。
・アカヒトデの体内から体液を吸って生きている。
・繁殖する時(だけ?)、アカヒトデの体を突き破って出てくるが、アカヒトデの体は再生するので、一応大丈夫。
・アカヒトデの体の模様が違うように見える部分は、過去になんらかの理由で千切れた体を再生した痕跡。
・アカヒトデヤドリニナはアカヒトデの外では長く生きられないので、アカヒトデが絶滅するとアカヒトデヤドリニナも絶滅する。
・シーラカンスだけに寄生する生き物も発見されて、その生き物もシーラカンスと同じくほとんど姿を変えずに生きてきたということになる。
・目黒には「目黒寄生虫館」という博物館があり、デートスポットにもなるくらい、今、寄生虫が熱い。

私のためだけのアカヒトデの話。

お姉さんのおかげで私はこれから先、水族館でアカヒトデを見るたびにコブや体の模様が違う部分を探す、という楽しみが増えました。

・今回のMVP

そして、今回のMVPにもトリーターさんが関わってくるわけですが。
上記のとおり、今回はMVP候補がとにかく多くて。
一種だけを選ぶのがとても難しかったのですが、その中で唯一、名前のプレートが無かったため、名前が分からずどうしても気になる! という生き物がいて、今回はその子がMVP!

葉っぱの上の子です

ボルネオプレコです!!

名前が分からないけど、このまま帰ったらぜったいに後悔する、と思い、少し離れた所に立っていたトリーターさんに聞いてみました。
当然のようにその人は担当ではなかったのですが、わざわざ内線(?トランシーバーみたいなやつ)で担当の方を呼び出してくれて、来てくれた担当の方もその場では分からなかったのですが、わざわざ奥に行って名前を調べて戻ってきてくれたんです!
しかも、「名前書いてなくてすみません。興味を持ってくれてありがとうございます」(みたいなニュアンスのこと)とすら言ってくれて!!
いやむしろ、忙しいのにわざわざ調べてまで名前を教えてくれて、こちらこそありがとうございます、ですよね。
ここまでしてもらえたら、私も「ボルネオプレコ」の名前をずっと忘れないでしょう。

トリーターさんを見ていて、ふっと思い出したのはディズニーで働いている人のこと。
もう十年以上前ですが、初めてディズニーシーに行った時、こちらが「あの、すみません」と言う前から、私の困った表情を察知してすかさず「どうかされましたか?」と声をかけてくれた、園内を掃除していた方がいまして。
あの時私は、「これがディズニーのサービス精神か……」と震えたのですが、えのすいトリーターさんからも、彼と同じ匂いを感じました。
考えたらディズニーの従業員も確か、「キャスト」っていう呼び名があるんですよね。
呼び名とは制服のようなもので、それを身につけることによって、働く人は身も心も引き締まり、職務に当たるものなのか、と納得したのでした。

もちろん、ボルネオプレコがMVPに選ばれたのは、トリーターさんに親切にしてもらったから、というだけじゃありませんよ!
このエイのようなフォルム、なのにこの小ささ。
そして愛らしいドット模様に、延々とはむはむし続ける動き!
頭を空っぽにして、永遠に見ていることができそうです。。
ちなみに家に帰ってからネットで調べてみたのですが、ボルネオプレコって普通にペットとして飼えるみたいですね。
むしろ水槽のお掃除のために飼われているとか……多分、新江ノ島水族館のボルネオプレコも、お掃除要員だったから名前を載せてもらえてなかったんだと思います。(あの水槽のメインは、隣に写ってるトランスルーセントグラスキャットフィッシュの方でしょう)
しかしこれはむしろ朗報。
ということは、もしかすると大きなペットショップでは普通に見ることができたりするのでは?!
あるいはよその水族館でも、メインの生き物とは別にお掃除要員として入れられてる可能性もあるのでは?!
またかわいいあの子に会える可能性に、ワクワクが止まりません!!

今年最後に行けた水族館が、新江ノ島水族館で本当に良かったです。
素晴らしい思い出をくれた感謝を込めて、真珠の取り出し体験までしてきてしまいました。(※私にとって感謝の気持ちは、水族館にお金を落とすこと)
非の打ち所がない水族館で、イルカショーが再開されたらまた見に行きたい、と素直に思えました。
まぁ、全国の水族館巡りを目標とする以上、同一の水族館に行くのはずっと先になるのでしょうが……。
来年もまた、素敵な水族館に出会えたらいいな、と思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?