見出し画像

ひとり農業と育児①

私はいま、会社員を辞め、農業をしています。
養鶏と、露地野菜。
春になり、植物や動物が動き出し、周りの景色がどんどん変わるこの季節。
農業でも、農繁期と言われる忙しい時期に突入しています。
私にとっては初めての農繁期。しかも初心者。
ということで段取りが肝心だとは思いつつ、経験がないことで時期を逃し失敗することもたっくさん出てきています泣
雨により、畑(水田を畑にしようとしているので余計に)が乾かないので機械が入れない。
けれども、苗はどんどんできる。
けれども育てた苗が弱く、定植するとちょっとした暑さで焼けてしまう。
発芽しない!
資材足りない!(←これは段取りが悪いだけ)
目が痛い!(風で)

そして、アセアセしているときに、子どもが発熱。
(夫は遠方にいるので頼れる人はいないのです…)


そこで、農業と育児の相性を分解しつつ、より快適に働けるよう物理的にも心理的にも整理してみたいなと思い立ち、書きます。今回は、「農業と子育て、相性はどうか」です。


1. 農と子どもはとっても相性がいい


多くの人が、直感的にこう思うと思う。子どもたちが広い畑で走り回る。花をみつけたり、虫を追いかけまわしたり、泥んこになって遊ぶ。最高!
実際、うちの2人の子も、畑に行くとそれぞれにやりたいことを見つけて夢中になって遊んでいます。4歳の息子は、機械でマルチを張るための部品でごろごろーっと土の上を転がすのに熱中していたかと思うと、母のそばに来てトンネル支柱をどんどん設置していったり、苗をトレイから出したり、配ったり、植えたり。手がかからないだけでなく、作業を手伝ってくれたりもする。これが意外とよく見てうまくやるんです。

そうすけ農業

では1歳半の娘は?…立てた畝の上を歩き回る。植えた苗を引っこ抜く(そして別のところに植えようとするが植わらない、苗は無残に横たわる)。転ぶ。泣く。抱っこ。笑笑

おおむね3歳ごろからは、親のやることやその意味を理解できてくるので、力になってくれることも多いけれども、1歳半ではまだまだ手がかかる。(そりゃそうだ)
でも、それぞれに遊びの材料を見つけて夢中になれるのは一緒。子どもは遊びの天才。休日にもかかわらず畑に駆り出されて、放置されているのに、すがすがしい表情。
手伝ってくれたことに「ありがとう!」と言えば、自分が一仕事したかのような満足げな顔をみせてくれる。これは母もとっても嬉しい瞬間。これだけで、特に外出しなくても楽しい週末を過ごすことができる。

ただ、作業を終え家に帰ってくると山盛りの泥んこ洗濯物と、泥だらけの靴と、泥だらけの子どもの処理があるんだけれども。

それと、養鶏がとてもいいです。
基本的に、母がやりたくてやっていることなので、子どもに世話を頼んだり仕事化したりはしていない。ただ、経過や思いは日々聞いてもらっています。

朝晩、保育園に出る前と帰った時、4歳の息子は必ず小屋へ行き、鶏に話しかけたり、はっぱをやったりしている(どれが好きで、どれを食べない、など自由研究のよう)。そして、止まり木の一番上に何羽止まっていたか、をなぜか毎日報告してくる。
母が試行錯誤して作った小屋や止まり木。オリジナルで作る怪しい餌。悩みながら、息子に相談?しながらひよこから育てている鶏。きっと、そばで見ていて、母の思いを大いに感じているんだろうなとうれしくなる。

そして、ちびっこの娘も息子に倣ってはっぱをとったり(怖くてあげられない)、小屋の外から「おおーい、あーーーー!!!」と話し(?)かけたり(怖くて入れない)、それなりに鶏との関りを楽しんでいるよう。

画像2

遊び相手と言えば母だった息子。今では「ぴよちゃんとこ行ってくる!」と一人で出かけてしばらく戻ってこないことも(小屋は敷地内にある)。

自然のものは遊び方が想定されていない(デザインされてない)から、無限の遊びや学びがある。子どもが遊び方を発見するところから始まるから、飽きない。そういう面からみて、農と子は相性バツグンと思う(←みな知ってるのかも)。

そして、親の試行錯誤を身近で見られて、便乗できるのが、本当にいい(主体的になれる)。


2. 農「業」と子を育てる母の相性はあまりよくない?


では、農を「業」としたとき、そして子を育てる母がこれをやろうとしたときはどうか。
結論からいうと、これは微妙だと現時点では思っています。

まず、農業は天候に左右されるから、5日働いて2日休み、というサイクルは成立しにくい。平日に畑に入れなければ休日にも出たい。

また農業では、日の出とともに圃場に出て、日の入りとともに作業を終える、という基本的な働き方があり、私も出来れば起きたらすぐに圃場に出たい…という気持ちがありながら、寝ている子たちを置いていくわけには行かないため、どうしても保育園へ送りに行ってから(9時ごろから)のスタートになってしまう。
それでいて、夕方は17時過ぎには迎えに行かなければ子たちの生活を確保できない
ので仕事はなんぼなんでも16時半まで。

1日の作業時間は7時間。といいたいところだけど、子どもたちと一緒に寝落ちしてしまう私は、家事も保育園へ行く前か、無理なら送った後にやる。…あれ?もうお昼?状態な日もある。作業に出ても3、4時間でタイムアウト。しかも素人、段取りが悪いので1日の目標まで終わらない。くそー朝から晩まで自由に仕事できる人がうらやましい。

それでも自分で選んだ道。自分で仕組みづくりをしなければ。
(本当に効率悪いんです私)


3. 仕組みづくりをしたい!


子にとっては親の仕事(思い・ノウハウ・結果など)を身近にみられることができて、自然からさまざまな遊びや学びを創出できる「農」はとても有効で素晴らしい。
一転、母(私)にとってみれば、多くの労働時間を費やす必要のある農業は育児時間や家事時間との兼ね合いが難しく、両立は難しい。

心理的に余裕のある毎日を過ごしたい。
今のこの生活をいいものにしたい。

そう強く願い、仕組みづくりをやっていこうと決めました。
課題は「やらないことを明確に決める」。
何に時間を使っているのか、削れるところはどこなのか。
長くなってしまったので今日はここまでに。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?