見出し画像

鶏たち(成長中!)の現在地はどこ?【基礎知識がなかったので確認】

ひよこたち(見た目は鶏、声はひよこ!)、すっかり大きくなったけど、
実はまだ孵化して59日。ヒトならまだ新生児感が抜けない頃だと思うと、
鶏の成長は早いなあと驚く日々です。

通常、ブロイラーなど若どりと言われる肉になるものは50日齢前後で出荷されるはずなので、よくスーパーに並んでいる鶏肉は、まだ若い雛だということになる。
実際に初めて育ててみると、「こんな短い付き合いでもうお別れだなんて!」と驚愕です。

成鶏へと成長していく彼らを見てて思うこと。羽が本当にきれい。ふわっと生えそろっていて、思わず触りたくなる。チキン(鶏肉)からは想像できないです。これは近くで育成している人しか見られないところだと思う。

画像1

そして、自作のエサで育てている初心者として気になるのは雛の成長。
「この時期にどれくらいの大きさになっているのが普通?」(←この『普通』とは?も難しい!)
「果たして『健康』に育っているの?」(←鶏に聞きたいもんだわ。あなた健康なの?)誰
これらを問う前に、基礎的なことを確認する時間を設けることにしました。
晴天で作業日和が続くと、じっくり調べたりする時間もないので。

色々とネットで調べていると(本当は書籍や論文などでも確認したいところだけれども)、まず、一般に肉用種とされる「ブロイラー」と「地鶏」「銘柄鶏」と定義が分かれ、その飼育方法や育ちも大きく異なるので、そこの違いを把握した上で判断する必要がありそう。
自分のやっている養鶏は、業界で言えばどの位置づけになるのか?
気になっている「成長」や「健康」はどこを基準にしたらいいのか?
そんなことがわかればいいなってことで。。

1. 日本で流通する鶏は、「ブロイラー(若どり)」「地鶏」「銘柄鶏」の3つに分類される


日本の鶏肉の自給率は、64%。鶏卵では。96%。
(2019年 農林水産省index-604.pdf (maff.go.jp))
飼養数でみると、ブロイラー(≒肉用鶏?)は1億3820万羽。採卵鶏は1億4170万羽。人の数より多い。
でも唐揚げ屋さんの多さ(最近増えてる!)やウチの卵消費からみると、納得の数字かも。品質や値段に差があり、日本では大きく3つに分類されるようです。以下詳細。

2. ブロイラーとは

アメリカなど海外で作出された、飼料効率が高く(fast growth)、短い期間での出荷が可能とされる若どりの総称。肉用、採卵用ともにこう呼ばれます。品種ではないとのこと。それと対照に位置する鶏の呼び方は「赤鶏」といって、明確な定義はよくわからない。カラー種とも呼ばれ、多様な色や模様がある。多分、「ブロイラーでない」程度のことなのかなと推測します。鶏の原種の生態に近いのかも(slow growth)

3. 地鶏とは


在来種(※)の鶏の血が半分以上入っており、飼育方法が日本農林規格(JAS)によって定められている鶏です。鶏本来の旨みとコク、適度な歯ごたえが特徴で、高級食材として重宝されています。
※明治時代までに日本に導入され定着した鶏38種類をさします。
地鶏・銘柄鶏の定義とレシピ|国産の魅力|もっとチキンが好きになる チキンの里-一般社団法人 日本食鳥協会 (j-chicken.jp)

また、飼育方法にも定義があるようです。

① 在来種の血液が50%以上のものであって、出生※の証明ができること。
     (素びなという)
     ※在来種からの系譜、在来種由来血液百分率及びふ化日の証明をいう
② ふ化日から75日間以上飼育していること。ブロイラーの場合は、
     約50日程度。

③ 28日齢以降平飼いで飼育していること。
     平飼いとは自由に地面を歩き回れる環境で飼育すること。

④ 28日齢以降1㎡当たり10羽以下で飼育していること。
     ブロイラーの場合は1㎡当たり16羽前後

  ※H27.8.21改訂「地鶏肉の日本農林規格」より
  


4. 銘柄鶏とは

ブロイラー、赤鶏関係なく、飼料や環境などに工夫を加えて飼育されたことにより、味や風味を改良している鶏のこと。JASによる定義はないようです。

例えば、山形県産ハーブ鶏。「植物性配合飼料に天然ハーブを添加した飼料により肉の臭みを減らし、コクのある鶏肉に仕上げ」ているとの説明。

地鶏銘柄鶏ガイドから適当に数えてみると、日本全国で地鶏・銘柄鶏に登録されているものは176種類もあった。私自身、比内地鶏とか名古屋コーチンくらいしか知らなかった(乏)。
でもこれは、品種数とは違うし、名前が違っても原種鶏のかけ合わせは同じだったりするみたい。色んな括りがあってややこしい。
全国の地鶏・銘柄鶏↓
全国地鶏銘柄鶏ガイド (j-chicken.jp)


5. 味の違いは?


気になるのは味の違い。肉はたまごよりも味の違いや好みが分かれると思う。スーパーで買った鶏肉、「ん?なんかクサイ…」とか、出張で行った先の鶏料理に「硬い、けどおいしい…!」など。一回食べた鶏肉がまずくてそれ以降食べられない><という知り合いもいる。

ひとつは、餌の種類によるもの。
でも何がどう作用するのかは、一言では説明できないし分かっていないことが多いと思う。
私が養鶏の参考書にしている本では、炊いた(火を通した)魚を与えると臭みが出る(卵?肉?は不明)、発酵飼料で臭みがなくなったり、味がよくなったり、などということが書かれている。うん、わからない!
養鶏に慣れてきたら、この辺ぜひ実験してみたいと思う。
① 完全配合飼料
② 嫌気性発酵飼料
③ 好気性発酵飼料
④ 生エサ (すべて原料は同じ)
こんな感じで実験区を分けて飼養してみるなど。
原料の組み合わせやそのほかの条件でも実験していたら私の人生期間では足りなさそう。

もうひとつは、鶏の日齢、成長段階によるもの。
これはわかりやすく説明されていて、納得。
一般的にブロイラー「若どり」と言われる孵化後50日前後で出荷されるものは、「やわらかい」のが特徴。寿命10-15年と言われる中で若ければ若いほど、やわらかいし、採卵鶏が1年半ほど産卵し、廃鶏になるタイミング(十分若いと思うけど)では、「めちゃめちゃ硬い」と書かれているのを見たこともある。でも、その分旨味は驚くほど感じられるとのこと。

私が養鶏する中で、鶏の成長と、この成長段階による味の違いを表現できたらさぞかし面白いだろうなと思う。自分自身、まだ知らないことだけれど。

ちなみに、ある文献から引用した下表では、焼き肉とスープで日齢の違いによる味などの官能評価をしてて、これまた興味深い。


6. うちのひよこの現在地は

私の初代たちは、カテゴリで見れば地鶏の条件をすべて満たしている。
現在59日齢。48日齢時点での体重は平均960g。
ブロイラーならこの頃、2,300gほど。倍以上の差があることになります。びっくり。
毎日餌もよく食べ、更には近隣の農家さんからもらった(ありがたい)野菜くずを毎日もりもり食べて糞もたくさんしているから、まあまあ健康に育っていることは間違いなさそうだから、ブロイラーって…(驚)

ところで、どの時点で絞めるかは決めてません。心の準備と物理的な条件が満たされたとき。
今はじっくり彼らの成長や生態を見ていたいと思う。

画像2

画像3

彼らは今日ものんびり砂浴びをし、猫におどろき、止まり木でリラックスしておる。
複雑な母心。笑

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?