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マイストーリー#2

前回は、新婚初日から出鼻をくじかれ、激務のOL生活から引きこもり主婦になったストーリーでした。今日は、その後のストーリーです。




転機は突然やってきた

「ピンポーン」

ある日の午後、インターホンがなりました。宅急便が届く予定もないし、何かのセールスかな?と思いながら画面をのぞいてみると、一人の女性が立っていました。

「どちら様ですか?」とたずねると、なんと例のご近所さん。


「うわっ!とうとう自宅に乗り込んできたのかーーー!」

突然の訪問。心臓の鼓動が高鳴り、ぶるぶると震える手。心の中では緊張していましたが、笑顔で(実際は引きつっていたかも)ドアを開けました。

~ここからは、しばし会話をおたのしみください~


ご近所さん「明日、引っ越すことになりました。お騒がせすると思うので、これを・・・」と、菓子折を差し出しました。

「(菓子折を受け取り笑顔で)お心遣いありがとうございます。引っ越しですか。どちらへ行かれるのですか?」

ご近所さん「○○県です。」

「そうですか。引っ越しは大変ですよね。どうぞお身体を大切になさってくださいね。」

ご近所さん「ありがとうございます。」


ドア側を向き一歩踏み出して出ようとしたそのとき、もう一度こちらを振り返りました。

ご近所さん「あの・・・。・・・。・・・。すみませんでした。」

私は内心ドキッとしました。「あれだけ嫌がらせをしてきた女性が謝るなんて・・・」そう思いながらも表情は微笑んだまま言いました。

「え?(首をかしげる)」

ご近所さん「いろいろとすみませんでした」

頭を下げたあと、ドアノブに手をかけ、外に出ようとしました。

「(軽く会釈をして)どうぞお元気で・・・」

ご近所さんは再び頭を下げ、ドアを閉めました。


パタンとドアが閉まると同時に

長い長いトンネル生活から解放された瞬間。

「やっと終わった。」

引きこもりのきっかけも、エンディングもドラマのような出来事でした。


仕事の選択肢が少ない

引きこもり生活から解放され、短時間だけ働きはじめました。何度かフルタイムのパートや社員の面接も受けましたが、転勤族の妻だと分かると「いつやめるかわからないんでしょ。」と面接官に言われることもしばしば。いつしか期間限定の仕事だけ探すようになりました。

短期間だけ働いて、転勤の時期には動かない生活。途中でやめることになると企業側に迷惑がかかると思い、資格取得の勉強をしたりのんびり過ごす日々。

その頃の私は「独身時代が忙しかったから、ゆっくりしよう」と言い聞かせていたように思います。


転勤

東日本大震災が起きる2ヶ月前に、ある検査に引っかかり手術をしました。体調が回復するまでに時間がかかり、半年ぐらい静養していました。

体調が落ち着いた頃、以前働いていた職場からまた働かないかとオファーをいただき再始動。震災の影響で書類がぐちゃぐちゃになっていたのを、日々の業務の間に全て片付けました。契約終了と同じタイミングで夫の転勤が決まり、感謝されながらのお別れ。初の日本海側への異動となりました。

年明け早々に引っ越して驚いたこと。それは「吹雪」。引っ越しから3日後、猛吹雪が3週間続きました。窓から見える景色は真っ白。海風に乗った雪が真横に飛んでいます。夜中まで雷が鳴り続けるのもこの地域ならではらしく、怖いとしか言い様がありませんでした。

独身時代は太平洋側ばかりに住んでいたので、青空を見ることができない生活というものを初めて体験。徐々に気持ちが落ちていく日々。夫が出張のときは誰とも話せず、吹雪で外にも出られず、青空をみることも出来ず(←これが一番きつい)、マイナスのスパイラルに乗っかってしまいました。

転勤妻が日本海側に住むとプチ鬱になる可能性が高い、と噂には聞いていました。他人事だと思っていたら、転居して1ヶ月ほどで自滅型の引きこもり主婦に。

今回の引きこもりは夏までに回復。また働こうと思い、某金融機関で働きはじめたところ、ここで働き方に対する疑問が湧いてきました。


つづく





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