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下重暁子さんのことば

エッセイストの下重暁子さん。元NHKアナウンサーとして、活躍されてきた。まだ男女平等など珍しかった時代に、男性主流の日本社会において生きてこられた方だ。これまで多数の本を出しておられるが、どの書籍からも元気になることばが溢れ出ている。

先日読んだのは田原総一朗さんとの対談「人生の締め切りを前に」(講談社+α新書、2021年)。個性豊かなお二人のお声が聞こえてきそうな、エネルギッシュな書籍であった。

読んでみて思ったこと。それは「自分の頭で考える大切さ」である。世を見渡してみると、「正解」と思しきものばかりがあふれている。方法で困ったら検索する、書店に行ってハウツー本を入手するなど、とにかく「正しい方法」を実践していると安心と思えてしまう。でも、そうすればするほど、窮屈になってしまうのだ。

お二人とも、たとえば「断捨離はしない」「終活はしない」など、自分なりに考えた末に現在の行動様式を実践しておられる。世間が「朝型生活が良い」と言ったとしても、自分にとって別のライフスタイルがあるならそれを正々堂々とやれば良いということ。

80年以上を生きてこられたお二人にとって、そうした「我が道」を突き進むことは、決して順調ではなかったであろう。今以上に世間の目がうるさい時代があったのだから。でも、それにひるまず自分らしく生きておられる。

とても励まされるし、私は私で良いのだ、と改めて元気が与えられる。

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