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大多喜無敵探検隊【昭和の本編】

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本編をまとめたマガジン。この物語は昭和の田舎で育った当時の私の日常や遊びを振り返って綴った趣味の児童文学(注:自称)!昭和51年4月~昭和53年3月(1976年~1978年)、私…
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2022年12月の記事一覧

act:16-今夜がヤマです【序の章】肺炎を拗らせたらお迎えがやってきた

 なんと無様なんだろう オレはここ何日か高熱を出して寝込んでいた。 オレは自慢じゃないが、 クラスの中では体も大きいし力もある。 あの番長のナガサとも常に喧嘩は互角だ。 だけどさ、実はオレは悔しいけど体が弱いんだ(※1)。 お陰で学校もよく休んだ。 そのせいでナガサや他の連中とも いつまでも仲良く出来ないのかもな。 ‥まぁでも考えてみたら そもそもアイツらとは仲良くしたくもなかったな それに今はどうでもいいや。  最初は風邪だと思っていたけど どうも肺炎を拗らしちゃったよう

act:17-今夜がヤマです【破の章】空中戦艦ヤマデス発進!暗黒肺炎帝国との死闘

前回までのお話 ↓ ウゥーーー!ウゥーーー!ウゥーーー! 緊急警報のサイレンが艦内にけたたましく響き渡る 「隊長!敵影多数!オイオイどーすんだコレ?やたら多いぞ!」 操舵手のユーイチ上等兵が叫ぶ。物凄い数の機影をレーダーが捉えたのだ。 大多喜町の杉山に偽装したオレたち漢の艦「空中戦艦ヤマデス」に向って、今とんでもない数の敵戦闘機がグングンと接近してきていた。どうやらこの入念な偽装もあまり役には立たなかったようだ。 敵の総数は凡そ1,000。今日までずっとオレを散々苦しめてき

act:18-今夜がヤマです【急の章】三途の川の畔に行ったのかオレ

前回までのお話 ↓  妙な揺れで空中戦艦ヤマデスから放り出されたオレは、黒い渦に引き寄せられて、どうやらそのまま渦に呑み込まれてしまったようなんだけど‥、 放り出された途端に瞼が重くなって、しっかりと見てはおらず、一体オレがあの後どうなったのか、実はオレ自身がよくわかっていないんだ。 ただ、今のオレは、異様に静かなところに、ぼぉーっと突っ立ってた。 静かなんてものじゃないな、まるで耳に何かが詰まってしまったように、全く音が聞こえないところだった。 さっきまでの異様な瞼の重さ