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大多喜無敵探検隊【昭和の本編】

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本編をまとめたマガジン。この物語は昭和の田舎で育った当時の私の日常や遊びを振り返って綴った趣味の児童文学(注:自称)!昭和51年4月~昭和53年3月(1976年~1978年)、私…
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2021年7月の記事一覧

act:4-謎の真っ赤な木原線を追え!【遭遇編】

前回までのお話はこちら ↓  その後もジッと猿稲踏切脇の斜面の草むらに潜む一同、というかオレとユーイチ。ヒロツンは先ほどから遮断機の脇に立って左手は腰に、右手はオデコにあてて、上り線と下り線を交互に、そして丁寧に首を振りながら見張っている。その一定のペースで振る首の動きがちょっと機械的で、まるで電気仕掛けの玩具のようで滑稽だ、そのうちオモチャのロボットみたいに口から火花でも噴くんじゃなかろうか。 そんな我々の様子を見て、近所の農家のおばちゃんが笑いながら通り過ぎていった。

act:5-禁じられた遊び 爆発四散する『野〇〇』

 オレが住む大多喜町は、山や渓流などと、東京の隣の県の町とは到底思えないほどに自然が豊かで、その分、小さな市街地を離れるとまったく人が歩いていないような、人口密度が疎らな典型的な過疎の町だ。そんな町だからこそ、よく見かけたのが「野〇〇」(※1)である。 それも明らかに犬や猫、野生動物の落し物とはそのボリュームが違う。人通りがないので我慢できなくなったドライバーたちが道の脇にそっと車を止め、その陰で用を足していくのだろうか。 ・・・そして何故か子供は昔から〇〇〇ネタが大好きで、