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大多喜無敵探検隊【昭和の本編】

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本編をまとめたマガジン。この物語は昭和の田舎で育った当時の私の日常や遊びを振り返って綴った趣味の児童文学(注:自称)!昭和51年4月~昭和53年3月(1976年~1978年)、私…
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2021年6月の記事一覧

act:1-大多喜町役場とタダシくんのションベンタワー

 昭和50年代、千葉県の大多喜町には『大多喜無敵探検隊』という秘密の組織が存在していた。 『大多喜無敵探検隊』は、自然豊かな房総の山あい大多喜町を舞台に、水曜スペシャル『川口ヒロシの探検隊(後の藤岡探検隊の元祖)』も真っ青な探検&冒険を日夜繰り広げていたのだ。 知らぬは親と大多喜小学校の先生だけであっただろう…。 我々メンバーは当時『鉄の掟』で結ばれていたので、これらの秘密は今まで一切外部に漏れることがなかった。 しかし私も既に50も半ば、そんな人生のターニングポイントとなっ

act:2-グーテンバーガー 大多喜にもあったハンバーガー自販機

 『大多喜町』は、三方を海で囲まれた千葉県南部の房総丘陵にある町で、その小さなマチナカを抜けると、実は恐ろしいほどに山深く、そして不気味なほどに自然が豊かである。山にはシカやイノシシをはじめ、タヌキやムジナ、猿の軍団、そしてオレは未確認ながらも昔からこの辺りで人を化かすというキツネ、さらにはたくさんのヘビや数えきれないほど種類豊富な昆虫もワンサカ生息している。もちろんこんな町なので田畑も異様に多く、オレたちが日頃から厳重警戒対象としている地獄のトラップ『肥溜』もコレまた多い。

act:3-謎の真っ赤な木原線を追え!【出動編】

 待ちに待った放課後、オレは常に不愉快な小学校を飛び出し、家にカバンを投げ置いたら『ユーイチ』を呼びに行く。 ユーイチ、足立勇一は、ウチの隣の工務店の息子で、2歳年下だがオレがもっとも信頼できる相棒だ。 『ユーイッチく~ん…、出動だぁぁぁああああーー!!』 人んちの玄関前でデカい声で吠えるオレ、我ながらなんという呼び出し方かよく分からないが、その声にすかさず反応して、家の奥からヤツが漫画のようにドタドタドタッと走りこんでくる。 そして、お互い顔を合わせた瞬間、軍隊式の挨拶を受