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アイスの溶ける時間②

コロッコロッ、コロッコロッ。


交互に膨らむ私の頬。
丸い飴玉が居場所を求めて
口内を彷徨っている。
もちろん、味はクリームソーダ。

休日には、
大好きな喫茶店の扉を開く。
喫茶店の醸し出すあの雰囲気は
異空間そのもの。
そこで味わうものは全てが格別。
幼い頃に出逢って以来、虜になった。
こうして今でも喫茶店巡りを続けている。

喫茶店を訪れたあとも
さらに楽しみは続く。
感想を綴ったノート
「めぐる、喫茶店回顧録」を見ては、
次なる目的地に想像を膨らませ
ニヤニヤしている。
クリームソーダのように
楽しみもまた二重層なのがたまらない。

とまぁ、喫茶店そしてクリームソーダ愛は
相当なものだと自負している。

しかし、今回ばかりは勝手が違った。

昨日の喫茶店で見かけた彼。
あの時はあまりにも喉が
乾いていたから、ソーダを
一気飲みしたのかな!?
それともいつも!?・・・。

仕事の最中でも
気づくとつい、あの姿を
思い浮かべてしまう。

普段とは違う自分の思考に
どこか落ち着かないが、
口の中の飴玉はすっかり定位置を見つけ、
とてもリラックスしている。





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