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涼風の青い空に 黄金の穂から たくさんの米粒たちが 勢いよく踊れば、 収穫祭の合図だ。 「笛…
グツグツ、グツグツと煮込むのだ。 マグマのような熱さに近寄ることなど皆無。 真っ赤に染まり…
「るーちゃんのは何味?」 「うーん、ちょっと酸っぱいかな」 「そう君のは?」 「激甘!」 「えっ?甘…
君のえくぼと私のえくぼ。 くっつけ合って確かめる。 仲良しの証。 今、目の前で上映している…
潮風が広がる午後。 足元には陽気な観葉植物たち。 聞こえてくる波音。 自然が織り成すリピー…
十円玉を数枚握りしめ、 角を曲がった先の 古びた駄菓子屋へ向かった。 どれを買おうか選んで…
上を見上げるとキリがない。 下を見下ろすとキリがない。 もうどのくらい居るのだろうか。 皆目見当もつかない。 ここはゼロポジション。 どちらにも染まらない灰色な世界。 その居心地の良さから、 「変化」の文字が消え失せた楽園。 安心で安全で安定。 波風はなく、 凪は穏やかに見守る。 来る運命の一瞬を。
「あなたには見えていたんだね」 「そんなの知らないよ」 「分かるわ。じゃなきゃスキを押さないも…
畳に横たわる。 仰向けで脱力。 思考も手放し目を瞑る。 のそのそと近づき上に上がる。 重…
家ではそっと音が鳴る。 トントントントン。 母は娘に料理を作る。 美味しくなるおまじない…
屋上からこちらを覗き込む。 頭の上には見馴れないハット。 ステッキを振り上げ、静止してい…
姿の見えない友人の声が 風に乗って小さく消えた。 ここは? 谷底? 辺りには洞穴がいくつか…
今日の稼ぎも予想を見事に超えた。 カリカリ1袋に猫缶3つ。 煮干し一掴みに鰹節少々。 ひら…
桃栗三年柿八年、恋に焦がれて早十年。 毎年、春の訪れを期待するようになった。 触れるか触れないか。ほどよい距離をとる。 試行錯誤に四苦八苦。 頃合いの判断は難しく、なんとももどかしい。 風に揺れるは熟れ模様。 気になり始めて大きく実ったこの想い。 そろそろ収穫のときだよね。