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ひとつひとつの素材に個性がある。ジュエリーブランド「SAN」が考える素材の話 Vol.1

わたしたち「SAN(サン)」は、2020年4月に誕生したジュエリーブランドです。SANがつくるジュエリーは、素材それ自体の面白さや可愛らしさから着想を得ています。今回から次回までに渡ってお話しするのは、SANが大事にしている素材の個性についてのストーリーです。

素材にはそれぞれ異なる顔立ちがあります。

たとえば、真珠。生きた真珠貝がつくりだす真珠は、個性に溢れています。

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真珠の輝きを生むもの

真珠を評価するときには、一般的に「マキ(巻き)」と「テリ(照り)」という軸が用いられます。

テリとは、真珠が内側から放つ輝きのこと。「真珠層」と呼ばれる薄い結晶が幾重にも積みかさなって厚く “巻いて” いると、真珠に光が透過してシャボン玉のような虹色に見えます。マキがいいものほど耐久性が強く、澄んだ光(テリ)を放ちます。

価値と個性

真珠の「価値」は、このマキやテリ、そして形などによって変わります。しかし、ひとつひとつの真珠がつくりだす色や形は「個性」として見ることもできます。

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虹色に輝くものがもっとも「良し」とされているあこや真珠。しかし自然界では、ピンクが混ざったものや青みがかったもの、ゴールドなど、ひとつひとつ異なるニュアンスの真珠が生まれます。市場的な価値では劣りますが、ジュエリーとして編み込まれることでその色みが個性を発揮することもあります。

そして、形は真円(完全な球体)に近いほど値段が高くなる傾向にあり、丸くないものは「バロック(Baroque, ポルトガル語で「歪んだ」)」と呼ばれます。自然の偶然によって生まれるバロックは、 “この世にひとつしかない個性的な形の真珠” として注目されることも。しずくのような形の「ドロップ」、雪だるまのような「ツイン」など、それぞれの真珠のもつ個性を生かしたジュエリーはとても可愛らしいですよ。

天然真珠しかなかった時代には、真円に近い真珠は王侯貴族のみが身に着けられるものでした。養殖技術が進歩した現在でも、全体の採取量の一割程度しかお目にかかることができません。その一割は、高級ジュエリーを扱うお店の商品として並んでいます。

SANでは、数ある真珠の中から、デザイナーが個性的で魅力があると思うものを選んでジュエリーを制作しています。色や形、天然か養殖か…… 真珠には値段を決めるためのさまざまな軸がありますが、そもそも真珠じたいが貴重なもの。値段だけを見て価値を判断するのではなく、ひとつひとつの個性について知ることで、あなたにとっての特別なジュエリーを見つけて身につけてほしいと思っています。

もちろん、高価なものを身につけるというのも素敵なことです。でも、何かを選ぶときには、その考えが邪魔になることもあるかもしれません。市場で付けられる価値にとらわれすぎず、好きなものや似合うものを考えると、楽しいジュエリー選びができそうです。

真珠をヒントに、同じものがふたつとない素材の表情を眺めてみてくださいね。次回は「宝石のインクルージョン」についてお話しします。


SAN Web - http://san-tokyo.com/
Online Shop - https://santokyo.buyshop.jp/


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