今日こそけりをつけよう! #9
「今日こそけりをつけよう!」
誰もが聞いた事のあるフレーズである。
言い換えると、「今日こそ決着をつけよう!」という意味である。
この文章には面白い所が2つある。
1つ目は、「こそ」。
何気なく使っている言葉だが、これは中学校の時にならった係助詞の「こそ」だ。
もっと分かりやすく言うと、係り結びの法則をするやつだ。
2つ目は、「けり」。
これも、中学校で習う過去の助動詞「けり」だ。
この「けり」は過去の助動詞と呼ばれるが、会話文中や和歌中で使用されると詠嘆の意味を持つものだ。
「こそ」は、平安時代から変わらず強調をしたい時に使われる助詞である。
例えば、「お前の方こそ悪い。」
これは、お前も悪いと強調をしている。
では、「けり」は?
「けり」は、決着という意味で使われるようになったが、この「けり」は「蹴り」という意味ではない。
過去の助動詞の「けり」だ。
昔、「けり」は、文中の最後につけるものだった。
「昔、男ありけり」「男住みけり」のようなもの。
つまり、「けり」をつける時は文章が終わる。
「けりをつける」=決着をつける
という意味になった。
私たちが知らず知らず使っている言葉には、平安時代から使われている言葉が存在している。
そう考えると古から伝わる言葉の凄さ、面白さを感じる事が出来るのではないだろうか。
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