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詩誌「三」72号掲載【カマキリ】正村直子
夕焼けの終わりに
道路に飛び出た一匹のカマキリが
車に轢かれるのを見た
ペキ と
ずいぶん軽い音だった
通り過ぎるタイヤの影が
どんどん濃く深くなって
世界は形をあいまいにするのに
踏みつぶされたカマキリの
ヘッドライトに照らされる一瞬
いっそ若葉のように瑞々しい
あしたの朝
もうそこにカマキリはないだろう
排気ガスと十月の風が
混ざって通り過ぎていった
2023年12月 三72号 正村直子 作
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夕焼けの終わりに
道路に飛び出た一匹のカマキリが
車に轢かれるのを見た
ペキ と
ずいぶん軽い音だった
通り過ぎるタイヤの影が
どんどん濃く深くなって
世界は形をあいまいにするのに
踏みつぶされたカマキリの
ヘッドライトに照らされる一瞬
いっそ若葉のように瑞々しい
あしたの朝
もうそこにカマキリはないだろう
排気ガスと十月の風が
混ざって通り過ぎていった
2023年12月 三72号 正村直子 作
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